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天竜川について
「水位標」は川の様子を知るバロメーター
川の名前の多くは、その地名からつけられます。しかし「天竜川」の名前は地名からではありません。古い書物によると、天竜川は奈良時代の頃には「麁玉川」と呼ばれ、平安時代には「広瀬川」と呼ばれるようになりました。鎌倉時代には「天の中川」と呼ばれ、その後「天竜川」と呼ばれる
ようになりました。
「天竜」はもともと「天流(アメノナガレ)」と読んでいたようです。これは天から降った雨が、峰から諏訪湖へ流れ出て、天竜川の流れとなることから、そうよばれていたのでしょう。 「竜」の字が使われたのは、水の流れが速く、竜が天に昇っていくかのように見えるというところからとか、天竜川の流れ出る諏訪湖の近くにある諏訪神社に祭られている竜神からきているという説もあります。
地図の数字をクリックすると、各地点から見た天竜川の航空写真が、ご覧いただけます。
水遊びのできる天竜川の復活を目指して 「子供のころは、よく天竜川で水遊びしたものだ」という声を、流域のみなさんからよく聞きます。今の諏訪湖からは想像もつきませんが1950年代半ばまで諏訪湖では水浴が行われていました。平成12年に天竜川流域のみなさんに天竜川の水質に関するアンケートを行った結果 、 約9割の方が、”水遊びができる程度の水質”または”泳げる程度の水質”を希望していることがわかりました(図-1)。 このページは、みなさんに天竜川及び諏訪湖の水質について知っていただき、どのようにしたら、みなさんが希望するようなきれいな水を取り戻すことが出来るかを、一緒になって考えていきたいと思い作成したページです。
天竜川の水質の現状 注) 青字をクリックすると用語の意味等の補足説明が表示されます。 天竜川のBODの経年変化を表したのが図-2です。この図は天竜川上流部の水質調査が本格的に始められた1965年以降のデータを図化したものです。1965年は高度成長期(1960年代〜70年年代半ば)中であり、その頃の水質は非常に悪く、上伊那郡辰野町にある新樋橋地点でBODが5〜9という非常に高い値が観測されています。その後は各種の水質浄化に向けた取り組みにより改善されつつあります。
浄化の取り組み 注) 青字をクリックすると用語の意味等の補足説明が表示されます。 1970年には水質汚濁防止法が施行され国家施策的に水質改善への取り組みがなされてきました。ここ天竜川流域でも事業場排水への上乗せ排水基準の設定が行われ、また流域下水道の整備、諏訪湖の底泥浚渫等が実施されました。また、自治会、市民団体及び住民一人一人の活動により、水質は改善方向に向かっています。しかし、流域のみなさんが希望している「水遊びができる水質、泳げる水質」にするには、これまで以上に水質改善に向けた取り組みを流域住民のみなさん、事業者の方々及び行政が協力して行っていくことが必要です。 みんなで天竜川をきれいにしよう ここで、みなさんでできる水を今きれいにする方法について改めて考えてみたいと思います。次表はこれまでみなさんが、それぞれの立場で行ってきた浄化の取り組み事例の一部についてまとめたものです。浄化の取り組みについて再認識し、より一層、水質改善に向けた活動をみんなで取り組んでいきましょう。
生活排水と魚が棲める水の関係 家庭の台所から何気なく流れている食品を、魚が棲めるまでに薄めるためには多量の水が必要になります。食品は残さないようしましょう。
(上表は、駒ヶ根市より情報を提供していただきました)
水質保全のお願い このページでは天竜川及び諏訪湖の水質について天竜川を管理する立場から記述したものです。「水遊びのできる天竜川」を取り戻すためには、天竜川流域に住んでいるみなさん、事業者及び農業を営まれているみなさん、天竜川及び諏訪湖を管理する行政等が協力して水質浄化に取り組んでいくことが必要です。 このホームページを通じみなさんが情報交換を行うことで少しでもみんなで協力し合える環境が作ることが出来ればと考えています。 みなさんの天竜川の水質に関する意見及び、掲載してほしい情報等があればお送りください。
河川の水位観測は、治水・利水計画の策定や、出水時の危機管理及び河川環境の把握という目的で行われる非常に重要な基礎的調査です。
水位観測の方法は、川の中に“ものさし”を立てて、水位を直接計る方法が古くから行われていました。この“ものさし”は量水標と呼ばれています。 写真-1は、長野県内の天竜川に現存する量水標の中では最も古いものです。この量水標は、高森町と豊丘村とを結ぶ万年橋の数十m下流の右岸にあります。
この量水標が設置された正確な時期は不明ですが、「尺」単位でありまた表記がアラビア数字であることから、尺貫法が廃止される昭和33年以前で、アラビア数字が使われるようになった明治以降のものと推察されます。付近には水神様も奉ってあり歴史観あふれる場所となっています(写真-2)。
現在の水位観測の方法は、従来どおりの量水標(写真-3)による場合と、フロート式のもの(図-1)、水圧計測し水位に換算するもの、超音波を利用したものなど計測方法は多岐に及んでいます。
現在の水位観測の方法は、従来どおりの量水標(写真-3)による場合と、フロート式のもの(図-1)、水圧計測し水位に換算するもの、超音波を利用したものなど計測方法は多岐に及んでいます。
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国土交通省 中部地方整備局 天竜川上流河川事務所 〒399-4114 長野県駒ヶ根市上穂南7番10号
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