由比地すべり対策

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災害の歴史

静岡市清水区由比地区は、過去幾度となく土砂災害に見舞われています。
記録に残る土砂災害だけで26回を数え、その他地震に起因するものなど多くの土砂災害が発生しています。
近年起こった大きな地すべり災害では、昭和36年「寺尾地すべり」 昭和49年「七夕豪雨土砂災害」などがありました。


由比地すべり周辺の自然災害年表

※年表が大きいため、横にスクロールしてご覧ください。
No 日付 年号 起因 災害 場所 概要
1662 寛文2 地震 崩れ サッタ山崩れ12ヶ月不通
1699/08 元禄12 台風 波浪 町屋原・北田・今宿 大浪にて3ヶ村残らず流出
1707/10 宝永4 地震 崩れ 大地震有り。サッタ峠も崩れる
1730/08 享保15 地震 津波 大波起こり3ヶ村流出
1854/11 嘉永7年(安政元年) 地震 崩れ 大地震有り。15日間揺れ止まらず、家屋大方倒れ、死者多く、所々に山崩れ有り。地盤変動、石垣崩れ、津波起きる。(サッタ峠も崩れる。海岸隆起)
1 1859/06 安政5 大雨 崩れ 寺尾・西倉沢 6/10頃より降雨となり23日大雨。25日に所々山崩れ、橋の流出続出し、寺尾大沢川西端2件埋没。西倉沢宝積寺本堂庫裡等山崩れで埋没。民家17軒全壊、16戸半壊。
2 1868/05 慶応4 大雨 崩れ 寺尾・西倉 4/22より降雨1ヶ月続き、宝積寺仮寺及び寺下11軒山崩れのため埋没す。
3 1910/08 明治43 台風 地すべり 西山寺坂の上,久保田 雨続きのため地盤ゆるみ西山寺坂の上、久保田等41町歩に亀裂崩壊のため20戸移住(雨量静岡679mm/4日)
  1917/09 大正6 暴風雨 波浪 由比町 午後11時頃より暴風雨となり、翌1日海岸一帯に激波押し寄せ、鉄道路線を破壊、民家波に洗われ多くの漁船流出、死者2名負傷7名家屋全壊17戸半壊31戸流出39戸。
  1918/10 大正7 暴風雨 波浪 由比町 大波により一帯再び被害
4 1922/08 大正11 台風 土砂流出 倉沢・今宿国道 暴風雨のため駅西方鉄道路線上に土砂堆積・汽車不通、倉沢、今宿国道も山崩れのため交通不能。
5 1923/07 大正12 梅雨前線 土砂流出 西倉沢川 豪雨のため西倉沢に川の土砂流出、駅西方においても線路上に土砂押し出し鉄道不通。
  1923/09 大正12 地震 地すべり 西山寺・寺尾 関東大震災により地すべり、西山寺、寺尾で地すべり活動
6 1924/09 大正13 台風 土砂流出 濁沢他 豪雨洪水、由比川西岸、和瀬川西岸の橋脚崩れ、橋梁流出。濁沢土砂流出し、貨車6両埋没。
  1935/08 昭和10 暴風雨 波浪   大波のため今宿聞川鉄橋破壊。鉄道上下線不通
7 1938/07 昭和13 前線・台風 土砂流出 由比駅周辺 豪雨駅前国道に土砂押し出し交通不能(雨量静岡734mm/8[6.28-7.5]
8 1938/07 昭和13 低気圧 崩れ サッタ山下海岸 サッタ山下海岸崩れ、鉄道・国道50mにて埋没
9 1941/07 昭和16 梅雨前線・低気圧 崩れ 寺尾 大暴風雨、寺尾山が崩壊し、人家2戸流出6名死亡、負傷者10数名(雨量興津287mm/2日)
10 1948/06 昭和23 梅雨前線・低気圧 地すべり 中ノ沢 豪雨により寺尾の海抜300mの山の中腹約100mの所から地すべり発生約4haが崩壊し、果樹園20haが埋没
  1948/09 昭和23 寒冷前線・低気圧 洪水 由比川・山下海岸 暴風雨、洪水、由比川西堤防5060m決壊。家屋5戸流出、船18隻流出。山下海岸にて鉄道・国道破壊、交通不能(雨量静岡120mm沼津84mm
11 1948/09 昭和23 台風 土砂流出 寺尾中の沢 アイオン台風の暴風雨により、寺尾中の沢土砂押し出し(7,500m3)列車不通(7時間)
12 1950/06 昭和25 梅雨前線・低気圧 地すべり 中の沢~寺尾 降雨により中の沢より寺尾沢にかけて亀裂が生じる。小規模の崩壊多発
13 1951/06 昭和26 梅雨前線・低気圧 地すべり 濁沢・今宿・寺尾 濁沢・今宿平・寺尾沢にて約6haに渡り、かなり活発な地すべりが起き始めた。
  1952/03 昭和27 低気圧 崩れ 由比町 由比町で家屋20戸浸水し、土砂崩れが有り、国鉄は由比駅で浸水し一時不通。
  1952/06 昭和27 台風 波浪 本山 ダイナ台風。由比町本山で護岸が決壊し死者1名、家屋流出3戸、損害2,000万円
  1953/09 昭和28 前線・台風 崩れ 由比町 台風による床下浸水、由比町で40戸。山崩れは庵原郡で15箇所
14 1955/08 昭和30 寒冷前線 土砂流出 西倉沢・寺尾他 豪雨により由比川が氾濫し、多数の被害あり、西倉沢・寺尾・寺尾橋付近に土砂流出
  1957/08 昭和32 前線・低気圧 崩れ 降雨によって土砂崩壊があり、国鉄は一時不通。
15 1959/04 昭和34 温暖前線・低気圧 崩れ 興津洞 降雨により興津町洞で土砂崩れあり。
  1960/08 昭和35 寒冷前線・台風 崩れ 東山 台風による降雨によって寺尾橋西側200mの暗渠、中の沢が氾濫。国鉄上り線一時不通。また東山で崖崩れがあり住宅1戸半壊
16 1961/03 昭和36 前線・低気圧 地すべり 寺尾 寺尾の地すべりにより国鉄・国道土砂で埋没。土砂約120m3(移動地面積6ha、築堤・水路等破壊)
17 1962/06 昭和37 梅雨前線 地すべり 東倉沢 降雨により東倉沢の大畑山南斜面で地すべりが起きたが規模は小さかった。
  1962/08 昭和37 台風 洪水 寺尾 寺尾沢の氾濫により交通止め(雨量静岡221mm/日)
18 1964/03 昭和39 低気圧 地すべり 松ヶ下 由比町松ヶ下の約30haの地域で約4000m3の地すべりが起きた。
19 1964/06 昭和39 梅雨前線 土砂流出 寺尾 豪雨により寺尾沢・中の沢氾濫。国鉄・国道約200mにわたり埋没。13時間不通
  1966/06 昭和41 台風 崩れ 由比町 台風4号による降雨により、由比町の県道・町道で3箇所の土砂崩れ有り。蒲原町五貝坂で山崩れ有り。民家5戸浸水(雨量平野部200300mm
20 1968/09 昭和43   地すべり 寺沢、中の段沢 寺沢と中の段沢の間の人家裏斜面に亀裂発生10月頃の降雨で亀裂拡大。
21 1971/02 昭和46 低気圧 地すべり 寺尾・濁沢 寺尾・濁沢に地すべり活動
22 1972/02 昭和47 低気圧 地すべり 大和田 今宿、大和田山地すべりにより国鉄・国道徐行運転(雨量静岡245mm/24h
23 1972/06 昭和47 大雨 崩れ サッタトンネル東側坑口 豪雨により、東名サッタトンネル東側坑口被災
24 1972/07 昭和47 台風 地すべり 今宿 足ヶ久保地域、地すべりにより、列車国道時速5kmの警戒運転
25 1974/07 昭和49 梅雨前線・台風 地すべり 寺尾・倉沢 台風8号及び梅雨前線により多数の被害山地崩壊、地すべり、土石流が発生した。
26 1977/09 昭和52 台風 崩れ サッタ峠 台風9号により、国道1号(法面崩壊)災害を受ける
[起因] :地震に起因するもの :降雨等に起因するもの [災害] :土砂災害


七夕豪雨時災害写真

倉沢地区 国道1号(倉沢周辺) 東名高速サッタトンネル西坑口付近
倉沢地区 線路上に流出した土砂


由比地すべり周辺の近年の被災箇所

由比地すべり周辺の近年の被災箇所

S49年(七夕豪雨)以降の防止区域周辺の崩壊・表層崩壊》
No 日付 年号 起因 災害 概要
1977/09/10 昭和52 台風 崩れ 台風9号により、国道1号に10㎥の土砂が崩落。2日間通行止め
2003/08/18 平成15 大雨 崩れ 7×高さ15×深さ12m(422mm/4,25mm/時間)
2004/08/26 平成16 崩れ 7×高さ7×深さ12mの表層崩壊
2004/10/21 平成16 台風 崩れ 大久保ブロックの斜面上端の幅10×高さ20m崩れ町道まで土砂流下(240mm/2,32mm/時間)
2007/07/15 平成19 台風 崩れ 7×長さ20×深さ50cmの崩れを始め5ヶ所で表層崩壊が発生(280mm/2,30mm/時間)
2008/04/25 平成20   崩れ JR洞トンネル坑口上部斜面が崩れる


交通網に影響を及ぼした土砂災害

昭和13年サッタ山下の崩壊 昭和49年七夕豪雨(渋滞する国1) 昭和49年七夕豪雨(JH法面崩壊箇所)
昭和49年七夕豪雨(濁沢地すべり) 平成20年4月25日JR洞トンネル上部斜面崩落