設楽ダム建設事業環境影響評価技術検討委員会における当方の考え

~平成16年6月7日(月)東日新聞⑤面「ニュースピックアップ」に対する当方の見解~


1.環境影響評価及び設楽ダム建設事業技術検討委員会における基本的な考え

 当方は環境影響評価について、事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮するため必要な措置を講ずるものと認識しております。そこで、環境影響評価を実施するにあたっては、設楽ダム建設事業の事業特性及び地域特性を踏まえ、最新の科学的知見に基づく適切な環境影響評価を実施するための技術的助言を適宜適切に受ける目的で「設楽ダム建設事業環境影響評価技術検討委員会」を設置したものであります。さらに、委員会を当初から公開という形で行うなど、透明性や客観性の確保に努めてまいりました。

 しかし、残念ながら、平成16年6月7日(月)の東日新聞⑤面「ニュースピックアップ 設楽ダム建設事業環境アセス技術検討委」という特集記事の中で、一部委員や事務局が述べた内容とは異なるものが掲載されました。そこで読者をはじめとする関係各位に対して委員会における基本的な考えを改めて示すとともに、標記の新聞記事によって委員及び事務局の見解について誤解を与えないことが必要であると考え、事務局としての見解を述べさせていただきます。


2.『クマタカなど絶滅危ぐ種の生息』について

 記事によれば、『特別、設楽ダム建設予定地だけが特殊なのではなく、数こそ少ないが、日本全国どこにでもいる。』とした上で、『したがって建設を否定する材料にはならない。』と記載されていますが、この趣旨の発言は委員会及び記者発表の場でも一切なされていません。標記に対する委員の発言としては記者会見上にて、特にこの豊川水系にしかいないという種ではないものの、種としての貴重性は高いこと、またダム建設による生息への影響が懸念されることから影響を回避または低減していく努力をしなければならない、という内容の発言がありました。


3.『富栄養化など三河湾への影響について』について

 記事によれば、『設楽ダム建設による三河湾への悪影響はないと考えられる。』と記載されていますが、標記に対する委員の発言としては、三河湾への影響については海に至るまでの変化及び三河湾内での変化をすべて混在させた条件下では懸念されるが、設楽ダムのみを取り出した場合の三河湾への影響は、委員自身が現時点で把握しきれていない内容もあるためまだわからない、という内容の発言がありました。また、予測地点としては下流の布里地点までで問題ない、という内容の発言もありました。


4.環境影響評価手続き及び環境アセス技術検討委員会の位置づけについて

 記事によれば、『環境影響評価でどんなデータが出てこようと、ダム建設をストップさせるような事態にはならない』と記載されていますが、環境影響評価法によれば、事業の実施が環境に及ぼす影響について調査、予測及び評価を行うとともに、これらを行う過程においてその事業に係る環境の保全の措置を検討し、この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することとして環境影響評価法第2条で位置づけられております。また、設楽ダム建設事業環境影響評価技術検討委員会は、環境影響評価を実施するにあたり、調査、予測及び評価を行う際の技術的な助言を行うことを目的としております。

よって、設楽ダム建設事業の可否の判断というのは環境影響評価及び技術検討委員会で取り扱うべき事項ではなく、それについては河川法に基づく河川整備計画策定の手続き等、別な手続きでの判断であると回答したものと認識しています。

 ちなみに、設楽ダム建設事業は平成13年11月28日に策定された「豊川水系河川整備計画(大臣管理区間)」で位置づけられ、そのことが現在の事業実施の根拠となるものでありますが、この計画の中でも設楽ダムの建設に際しての自然環境の保全に対するスタンス(PDF:762KB)が明示されております。


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