道の駅の取り組み

道の駅の概要について

基本コンセプト

鉄道に駅があるように、道路にも駅があるとよい

  1. 休憩機能:24時間無料で利用できる駐車場・トイレ
  2. 情報発信機能:道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報などの提供
  3. 地域連携機能:文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設

4月22日『道の駅の日』

  飛騨地域 全国的な動向
創設期
平成3年〜
  • 平成3年10月~平成4年7月:岐阜県7箇所は高山国道事務所が社会実験として実施
  • 平成3年10月~平成4年7月:栃木県、岐阜県、山口県の3県(12箇所)でプレハブとテントで社会実験を実施

①24時間のトイレ ②公衆電話 ③駐車場

第1ステージ
平成5年~
  • 平成5年:道の駅「パスカル清見」が全国第1号の道の駅の1箇所として登録
  • 平成20年:飛騨地域で最も新しい道の駅「飛騨白山」が登録され、現在の16駅まで増加

「通過する道路利用者へのサービス提供の場」をテーマとして道の駅の整備を推進

  • 平成5年:道の駅制度が創設され、全国103箇所が道の駅第1号として登録
  • 平成24年:全国約1,000箇所に増加
第2ステージ
平成25年~

各道の駅の特色を活かし目的地化を推進

  • 地域の観光資源の活用
  • 目的地となる併設施設のアピール
  • 地元生産者との連携

「道の駅が目的地に」をテーマに地域の創意工夫がなされ、観光の目的地や地域の拠点に発展

  • 平成31年(令和元年):全国1,160箇所
第3ステージ
令和2年~
  • 令和6年3月:国道41号に面し、地域防災計画に位置付けられている道の駅「飛騨街道なぎさ」のBCP策定(防災拠点化に関する取り組み)

「地方創生・観光を加速する拠点」をテーマに、①世界ブランド化、②防災拠点化、③地域センター化の3つの姿を目指し取組を推進

  • 令和7年1月時点:全国1,230箇所
「道の駅」の社会実験実施状況/実施場所:丹生川村(現 高山市)
「道の駅」の社会実験実施状況/実施場所:丹生川村(現 高山市)
道の駅社会実験
南吉城駅古川町(現 飛騨市)
ひだ高山・宮駅宮村(現 高山市)
久々野駅久々野町(現 高山市)
丹生川駅丹生川村(現 高山市)
せせらぎ街道駅清見村(現 高山市)
加子母駅加子母村(現 中津川市)
付知町駅付知町(現 中津川市)

高山国道事務所は、第3ステージが目指す3つの姿の実現を目指して
飛騨地域の道の駅での取組を推進しています。

道の駅第3ステージを進んでいる今 まちぐるみ

“まち”と“道の駅”が一体となって『まちぐるみの戦略的な取り組み』として、高山国道事務所は岐阜県、飛騨地域3市1村や関係される皆さんとともに連携して、飛騨地域の道の駅と道の駅を核とした地域を戦略的に活性化を進めていきます。

飛騨地域の道の駅のコンセプト

飛騨地方は世界的にも知名度が高い観光エリアであり、インバウンド需要も増加しているなかで、近年はレンタカーを利用したインバウンドも顕著である。
多言語に対応した道路情報や観光情報の提供、キャッシュレス決済への対応、外国人観光客の目的地となるような観光コンテンツ等、インバウンドにも対応できる観光拠点化を目指す。

近年、気候変動の影響を受け、全国的に自然災害が激甚化・頻発化しており、飛騨地域も例外ではない。
豪雨災害や大地震等の広域的災害が発生した場合に備え、道の駅自体の防災機能の強化に加え、道の駅同士をネットワーク化し、広域的支援の拠点として機能できる体制づくりを行う。

少子高齢化や過疎化により、地域コミュニティの維持が困難となっている。
道路利用者の休憩施設としての機能に加え、地域に不足している生活拠点機能を配備することにより、地域コミュニティの維持に貢献する。また、子育て世代の支援や学校と連携した取組等、多様な世代が集う仕組みを作ることで、世代間の橋渡

し役を担い、地域コミュニティを守る。

令和6年8月7日時点道の駅設置状況

  • 岐阜県:56駅/都道府県全国第2位
  • 高山市:8駅/市町村全国第1位
    (南房総市、郡上市と同位)

道の駅の取り組み 道の駅設置状況地図

国道41号道の駅

飛騨街道なぎさ

国道41号道の駅 飛騨街道なぎさ

  • 所在地:岐阜県高山市久々野町渚
  • 開駅:2000年9月25日
  • 道の駅設置者:高山市
  • 道路管理者:国土交通省

アルプ飛騨古川

国道41号道の駅 アルプ飛騨古川

  • 所在地:岐阜県飛騨市古川町上町
  • 開駅:1998年3月26日
  • 道の駅設置者:飛騨市
  • 道路管理者:国土交通省

飛騨地域の道の駅のスペック

飛騨地域の道の駅のスペック 表

飛騨地域の道の駅の課題

設備面の課題

  • 施設の老朽化が進み、来訪者のニーズに対応できていない場合がある(洋式トイレ化等)
  • トイレや店舗等、施設の耐震化がなされていない道の駅が多い
  • 道の駅を地域の防災拠点と位置づけるための設備、機能を有していない道の駅が多い(災害支援活動が可能なスペース(駐車場面積)、施設の耐震化等)

機能面の課題

  • 子育て支援機能の整備(おむつ交換スペース、授乳スペース、おむつばら売り)が全ての道の駅に整備されていないため、「どこの道の駅でも受けられるサービス」となっていない
  • 自治体の地域防災計画において指定避難所に指定されている道の駅を除くと、被災時に備えた物資の備蓄がなされていない
  • クレジットカードやQRコードによるキャッシュレス対応ができていない道の駅が存在する
  • 外国人向けの観光情報提供や多言語での案内等、外国人を対象とした情報発信力や集客コンテンツが課題である
  • SNS等を用いた情報発信が遅れている(高齢化・技術力のある人材不足)
  • 過疎地の道の駅においては、周辺の商店の閉店等により、生活拠点機能が必要となるケースが発生し始めている

道の駅をとりまく環境面の課題

  • 労働力不足により、来訪者に対して十分なサービスができていない
  • 周辺農家の高齢化・担い手不足により産直コーナーで販売する青果品等が不足している
  • 冬期の誘客につながるサービス(販売する特産品等)が不足している。

飛騨地域における道の駅の概要

機能

主要な取組

飛騨地域の道の駅における
具体的な取組状況

課題

第Ⅰ期

道路利用者へのサービス

道路利用者に対する3つの機能の提供

  • 24時間無料で利用できる「休憩機能」
  • 道路情報等の「情報発信機能」
  • 地域振興施設等の「地域連携」
  • 管内に16箇所の道の駅が存在。飛騨地域の主要な幹線道路(国道)沿いを中心にバランスよく分散して立地国道41号(2箇所)、国道158号(2箇所)、国道156号(2箇所)、国道361号(2箇所)、国道471号(2箇所)、国道257号(2箇所)、県道(3箇所)
  • 飛騨地域の玄関口となるIC付近に立地(荘川、ななもり、白川郷)
  • 設置から時間がたちリニューアル時期
  • 中部縦貫自動車道延伸区間が「道の駅の空白地帯」

第Ⅱ期

道の駅自体が目的地に

観光資源の活用

  • カミオカラボ(神岡)、合掌造り住宅の展示(白川郷)
 

目的地となる施設を併設

  • キャンプ場(パスカル、奥飛騨)
  • 位山交流広場、スキー場(モンデウス)
  • 温泉(荘川)
  • マレットゴルフ(朝日村)
 

地域拠点

地元生産者との連携

  • 地元特産品の販売等、地域のアンテナショップ的な役割
  • 地元生産品販売(なぎさ、アルプ、ななもり、高根)
  • 自社製品を中心とした特色ある商品展開(パスカル、なぎさ)
  • 冬期に販売できる商品の確保、開発

第Ⅲ期

あらゆる世代が活躍できる舞台としての地域センター化

子育て支援

  • 子育て世代を支援する機能の配備 授乳室(神岡、馬瀬、ななもり、白川郷、飛騨白山、アルプ)、おむつ自販機(ななもり、荘川、金山、アルプ)
  • 子育て支援機能を飛騨地域の全道の駅に配備

民間タイアップ

  • 民間活力を活かした店舗経営(アルプ)
 

「防災道の駅」が全国の安心拠点に

災害時に避難場所としての位置づけ

  • 指定避難所(なぎさ、モンデウス)
  • 緊急避難場所(小坂はなもも)
 

BCP策定

  • BCPの展開(先行して、国道41号沿いの道の駅(なぎさ・アルプ)で策定
 

道の駅の世界ブランド化

多言語対応

  • JNTO認定外国人案内所(なぎさ・白川郷)
 

観光関係団体との連携

  • 夕食難民の観光ツアー受入(ななもり)
 

飛騨地域の道の駅がこれから向かうところ

目指す姿 ①:地域センター化
~地域の縦のつながりの創出(世代間のつながり⇒将来を担う世代の定着)~

地域センター化

子育て支援道の駅マップ

授乳室
授乳室
子育て支援おむつ自動販売機
子育て支援おむつ自動販売機
モンデウスシアター
モンデウスシアター
キッズルーム
キッズルーム

高校生と道の駅の共働による取り組み

2023年 SNSを活用した情報発信の取り組み
道の駅の課題
  • 情報発信が不十分
  • 情報発信の仕方がわからない
  • 情報発信できる人材がいない
高校の取り組み

岐阜県立飛騨高山高等学校ビジネス科『高校生 勝手に地元応援プロジェクト』

  • 郷土の魅力(文化、風景、商品など)を情報発信
  • 情報発信したくても時間や労力が不足、デジタル機器・アプリ操作のノウハウがないと課題をかかえている事業者と連携して情報発信
道の駅の課題解決
  • 道の駅のもっている課題と高校生の情報発信の取り組みが合致した協働による取り組み
SNSを活用した情報発信のため高校生が道の駅を訪問取材
SNSを活用した情報発信のため高校生が道の駅を訪問取材
“勝手に地元応援プロジェクト”としてSNSを活用して情報発信
“勝手に地元応援プロジェクト”としてSNSを活用して情報発信
2024年 高校生による商品開発の取り組み
  • 岐阜県立飛騨高山高等学校ビジネス科の『商品開発』をテーマとした取り組み
  • 生徒が企画提案したなかで道の駅ななもり清見の自家製味噌を素材とした「味噌唐揚げ」が商品として採用
  • ビジネス科として、企画提案・パッケージデザイン・販売促進によりマーケティングを実践
  • 道の駅が素材調達、調理・販売
  • 高校生と道の駅が共働で商品開発することで、道の駅が高校生のマーケティング実践の場として活用

岐阜県立飛騨高山高等学校ビジネス科の取り組み

目指す姿 ②:地域防災力強化
~安心・安全な地域づくり~

地域防災力強化

災害時において、広域的な災害応急対策を迅速に実施するための拠点を確保することが重要で、地域防災計画等に位置づけられた「道の駅」の自動車駐車場について、「防災拠点自動車駐車場」として指定されています。

災害応急対策

災害時における道の駅の活用事例

防災拠点自動車駐車場に指定されている道の駅「飛騨街道なぎさ」において、豪雨による道路崩壊時の復旧活動の資機材保管場所として機能

災害応急対策 道の駅「飛騨街道なぎさ」

道の駅BCP[業務継続計画]

  • 発災時、道の駅が有する防災拠点機能を適切に発揮させる計画
  • 発災後、道の駅が有する生活拠点機能を早期に再開させる計画
自治体職員及び道の駅関係者を対象に第3ステージ推進委員国崎氏による道の駅BCP講演会を開催
自治体職員及び道の駅関係者を対象に第3ステージ推進委員国崎氏による道の駅BCP講演会を開催
道の駅第3ステージ推進委員国崎氏監修による道の駅ファーストミッションボックス
道の駅第3ステージ推進委員国崎氏監修による道の駅ファーストミッションボックス
道の駅設置者の高山市主催で道の駅従業員をはじめ、道路管理者や関係者などと合同でBCP訓練を実施
道の駅設置者の高山市主催で道の駅従業員をはじめ、道路管理者や関係者と合同でBCP訓練を実施
飛騨街道なぎさ
飛騨街道なぎさ

飛騨街道なぎさで、道の駅BCPと組み合わせて発災時に誰もが迅速かつ確実な初動期のオペレーションを実現するためのツール“ファーストミッションボックス”を全国の道の駅として初めて作成

再生可能エネルギーを活用した施設整備

能登半島地震をはじめ、近年の大規模災害において電力設備も被災したことにより、商用電力の供給が途絶え、長時間にわたって停電が発生し、生活や業務継続に支障を来す事例が増えています。

このような備えとして、太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギーを活用した施設整備も重要となってきていることから、道の駅でも再生可能エネルギー施設の整備を進めることにより、広域的災害時においても道の駅業務を継続できるように検討していきます。

(一社)全国道の駅連絡会が岐阜県内の企業と電力会社が連携して開発された事例

再生可能エネルギー施設の整備

屋根上の太陽光発電パネルで集エネ、蓄電と充電により電力を供給するシステム

  • 平常時:道の駅施設やイベントなどで電力を活用
  • 災害時:商用電力が停止したとしても太陽光からの電力給電が可能

目指す姿 ③:世界ブランド化
~飛騨地域の価値を向上し、国内外の観光客に選ばれる「まちづくり」~

世界ブランド化

JNTO認定外国人観光客案内所

岐阜県を訪れる外国人観光客の推移

JNTO〔日本政府観光局〕は、平成24年度から外国人観光案内所の認定制度を運用しており、飛騨地域の道の駅としては2駅登録されています。

  • 道の駅飛騨街道なぎさ:パートナー
  • 道の駅白川郷:パートナー

《各施設の提供するサービス内容によってカテゴリーに区分》

  • 区分:パートナー施設(観光案内を専業としない施設であっても外国人旅行者を積極的に受け入れる意欲があり、公平・中立な立場で地域の案内を提供)

インバウンドと道の駅

飛騨地域を訪れる外国人観光客の増加、レンタカーを利用して日本国内を観光周遊される外国人観光客が増加してきていることから、道の駅においても世界ブランド化の取り組みを積極的、早期に推進する必要があります。

外国人観光客状況グラフ

道の駅におけるインバウンド受け入れ環境

e-BIKEによる周遊

観光関係団体(観光協会)が主体となって、下呂市小坂地域のツーリズムを推進している。
エリア内にある道の駅「道の駅南飛騨小坂はなもも」を核とした活性化策やJR飛騨小坂駅から道の駅を経由したe-BIKEによる周遊等も実施している。
誘客と同時並行でインバウンド向けに標識等の多言語化やWi-Fiなどの設備整備も進め、インバウンドの受入れ環境の向上を図っている。

道の駅 飛騨金山

道の駅に併設された温泉施設等は、宿泊施設も備えており、レンタカー利用の外国人観光客の目的地となる。

飛騨地域の道の駅の活性化を目指します

平成5年度に道の駅制度がはじまり、令和5年度に道の駅30年を迎えました。

飛騨地域の道の駅16駅は、設置から平均25年(令和7年1月1日現在)経過し、初期登録の道の駅も老朽化が進んできています。
今後も飛騨地域の活性の場として道の駅を存続させていくために、施設をはじめ道の駅そのものをリニューアルさせていく必要性も高い時期となりつつあります。

また、道の駅のトイレにつきましても、時代の変化や生活様式の変化、新型コロナウイルスなど感染症のリスクを軽減することからもトイレの洋式化を図る必要性もあります。

全国の道の駅でも施設の老朽化が進んできたり、拡張を図るためクラウドファンディングを活用して、道の駅ファンとともにリニューアルを進めている事例も増えています。

道の駅や地域の課題の解決に向け、高校生や大学生の視点・発想・提案によって、飛騨地域の道の駅や道の駅を核とする地域のさらなる発展、活性化に繋げられる活発で継続的な取り組みの実現を期待します。

高山国道事務所は、飛騨地域の道の駅のファンを増やして、皆さんとともに“まちぐるみ”で道の駅の活性化を目指していきます。