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ネコギギ(Tachysurus ichikawai)はナマズの仲間(ナマズ目ギギ科)で日本固有の純淡水魚です。 昭和52年(1977)に国指定の天然記念物に指定されており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に、レッドリストあいち2015では、絶滅危惧ⅠA類に、それぞれ指定されている希少な魚です。頭はまるくやや扁平で、尾びれの後ろ側の切れ込みは浅く、体はずんぐりしています。体の色は黄褐色で、暗褐色の大きな斑紋が背びれ、脂びれの下、尾びれの付け根にあります。
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ネコギギは、伊勢湾及び三河湾に注ぐ東海地方の河川の中流域から上流移行域で、水の澄んだ隠れ場のある水域にのみ分布します。
生息場所は、主に河川中流域の平瀬から淵で、河床が大小の礫で占められ、水深が50cm以上あるような緩流部に棲んでいます。 典型的な夜行性魚類で、昼間や冬期などの非活動期には、川岸や岩の下などにできる隠れ家の中に潜んでいます。
ネコギギは、その生活史(一生)を通じて回遊などの大きな移動は行いませんが、河川内で数十~数百m程度移動をすることがあります。
水温が15℃を超えるような時期(5~9月)を中心に、夜間、活発な索餌遊泳を行い、カゲロウ類や双翅類の幼虫などの水生昆虫を摂餌します。 索餌遊泳は河床の礫や川岸の抽水植物などの表面に顎髭を沿わせながらゆっくりと行います。