繁殖状況

 設楽ダム周辺にはクマタカが3つがい(Aペア、Bペア、Cペア)生息しています。 これらの3ペアについて、継続的に繁殖状況を調査しています。

 Aペアでは、平成 9年、11年、13年、22年、24年、26年、28年、30年繁殖シーズンに幼鳥の巣立ちが確認されています。

 Bペアでは、平成15年、21年、22年、24年、26年、28年、30年、令和2年、5年繁殖シーズンに幼鳥の巣立ちが確認されています。

 Cペアでは、平成10年、13年、15年、20年、22年、24年、26年、28年、31年(令和元年)繁殖シーズンに幼鳥の巣立ちが確認されています。

 ※繁殖シーズンは、求愛の始まる時期(11月)から翌年の巣立ち期(7~8月)までとしています。 また、上記の「○○年繁殖シーズン」とは、例えば平成28年繁殖シーズンは、平成27年11月から平成28年7~8月を指しています。
 ※幼鳥・若鳥の区分は、巣立ち後翌年の3月までを幼鳥、4月以降を若鳥としています。

 

Aペアの繁殖状況
繁殖
シーズン
繁殖成否 繁殖活動の詳細
H9 未調査ですが、翌年に巣立ち幼鳥を確認したことから繁殖成功と判断しました。
H10 × 繁殖活動は確認できませんでした。既知の営巣地の利用もなく、産卵まで至ったか不明です。 4月に前年生まれの若鳥が確認されています。
H11 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H12 × 既知の営巣地の利用もなく、産卵まで至ったか不明です。
H13 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H14 × 7月まで巣材運びが確認されました。 巣が崩落し、卵殻が確認されました。 卵殻の状態などから、巣内育雛初期に繁殖失敗したと考えられます。
H15 × 3月に巣材運びが確認されました。 5月にN3巣が壊れており、卵殻が確認されたことから、 繁殖失敗したと考えられます。
H16 × 5月まで巣材運びが確認されました。 巣の下に落ちている卵殻が確認されたことから、 繁殖失敗したと考えられます。
H17 × 繁殖活動は確認できませんでした。 既知の営巣地では、繁殖を行った痕跡がみられず、 産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H18 × 交尾まで確認しましたが、産卵に至りませんでした。 このため、繁殖失敗と判断しました。
H19 × 繁殖活動は確認できませんでした。 産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H20 × 巣の一部が崩落し、雛と思われる足の一部や幼羽を確認しました。 このため、繁殖失敗と判断しました。
H21 × 繁殖活動は確認できませんでした。 既知の営巣地では、繁殖を行った痕跡がみられず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H22 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H23 × 昨年生まれの幼鳥が常に観測されました。 また、繁殖を行った痕跡が見られず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H24 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H25 × 昨年生まれの若鳥が常に観測されました。 また、繁殖を行った痕跡が見られず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H26 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H27 × 昨年生まれの若鳥が確認されました。また、交尾は確認されましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H28 翌年に巣立ち幼鳥を確認したことから繁殖成功と判断しました。
H29 × 昨年生まれの若鳥が4月まで確認されました。 また、2月と3月に交尾を確認しましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H30 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H31
(R1)
× 繁殖活動は確認できませんでした。 繁殖を行った痕跡がみられず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
R2 × 6月に巣内雛まで確認されましたが、8月に巣内にて白骨化した骨と巣の下に幼鳥の羽根が散らばっているのが確認され、繁殖失敗したと考えられます。
R3 × 繁殖活動は確認できませんでした。産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
R4 × 4月に抱卵まで確認されましたが、8月までに雛及び餌の残骸や糞痕等が確認されなかったため、孵化しなかった可能性が高いと考えられます。
R5 × 4月に成長雌の下腹部に抱卵痕が確認されましたが、7月までに餌運びや幼鳥の出現等が確認されなかったため、孵化しなかった可能性が高いと考えられます。

繁殖成否 ◎:繁殖の成功を確認しました ×:繁殖しなかったと判断しました

 

Bペアの繁殖状況
繁殖
シーズン
繁殖成否 繁殖活動の詳細
H9 Bペアを主な対象とした調査を行っていません。 その後若鳥なども確認しておらず、繁殖成否は不明です。
H10 × 4月に抱卵が確認されました。 5月に雛へ給餌しているのが確認されました。 7月の踏査で繁殖中断を確認しました。
H11 × 3月に交尾が確認されました。 その後、抱卵の確認はなく、産卵に至ったかどうかは不明です。
H12 × 3月に交尾、・造巣行動が確認されました。 6月に既知の営巣地を踏査しましたが、産卵まで至ったかどうかは不明です。
H13 × 3月に交尾・造巣行動、4月に巣材運び、5月に餌運びが確認されました。 出現状況から4月までは抱卵していた可能性が高いと判断しました。
H14 × 6月に踏査して、既知の営巣地では営巣していないことを確認しました。 5月までは抱卵または育雛していた可能性が高いと考えられます。
H15 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H16 × 2月に巣材運び、3月にディスプレイが確認されました。 6月に既知の営巣地を踏査しましたが、産卵まで至ったかどうかは不明です。
H17 × 繁殖活動は確認できませんでした。
H18 × 5月に抱卵または抱雛が確認されましたが、6月には巣内に雛はいなくなっていました。 このことから、育雛期に繁殖失敗したと判断しました。
H19 × 3月に造巣行動が確認されました。 産卵まで至らなかった可能性が高いと判断しました。
H20 × 3月に造巣、抱卵及び5月に餌運び・抱雛が確認されました。 その後、巣内に雛はいなくなっていました。このことから、育雛期に繁殖失敗したと判断しました。
H21 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H22 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H23 × 昨年生まれの若鳥が常に観測されました。 また、繁殖を行った痕跡が見られず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H24 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H25 × 3月にディスプレイが確認されました。昨年生まれの若鳥が4月まで確認され、 その後は繁殖を行った痕跡は見られず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H26 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H27 × 昨年生まれの若鳥が確認されました。また、交尾は確認されましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H28 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H29 × 昨年生まれの若鳥が6月まで確認されました。 また、2月に交尾、餌・巣材運搬、4月に巣材運搬を確認しましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H30 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H31
(R1)
× 3月に交尾、4月に餌運搬まで確認されましたが、6月に巣内雛が確認されなかったことから、繁殖途中で失敗したと考えられます。
R2 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
R3 × 昨年生まれの幼鳥が確認されました。 活発な繁殖行動は見られず、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
R4 × 3月に交尾は確認されましたが、8月までに餌運搬が確認されなかったため、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
R5 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。

繁殖成否 ◎:繁殖の成功を確認しました ×:繁殖しなかったと判断しました

 

Cペアの繁殖状況
繁殖
シーズン
繁殖成否 繁殖活動の詳細
H9 調査を実施していないため、繁殖成否については不明です。
H10 未調査ですが、翌年に巣立ち幼鳥を確認したことから繁殖成功と判断しました。
H11 × 3月に造巣行動、4月に餌運びが確認されました。 育雛期に繁殖失敗した可能性があると考えられます。
H12 × 5月に餌運びが確認されました。 6月に踏査して巣内に羽毛、枯れきっていない青葉を確認できたことから、 5月の調査時点で抱卵もしくは抱雛までしていた可能性が高いと考えられます。
H13 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H14 × 2月に交尾、3月造巣行動が確認されました。 既知の営巣地では繁殖していないことを確認しました。 行動から産卵に至らなかったと推定されます。
H15 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H16 × 2月に造巣行動が確認されました。 既知の営巣地では営巣していないことを確認しました。 産卵まで至ったかどうかは不明です。
H17 × 6月に巣内に青葉を確認しました。 その後、巣は利用されておらず、抱卵または育雛期に放棄したと推定しました。
H18 × 5月に雛が確認されましたが6月には雛がいなくなっていました。 このことから、育雛期に繁殖失敗したと判断しました。
H19 × 4月まで監視とまりなどが確認されました。 5月時点で巣の利用はありませんでした。 このことから、産卵まで至らなかった可能性が高いと考えられます。
H20 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H21 × 繁殖活動は確認できませんでした。 産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H22 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H23 × 昨年生まれの若鳥が常に観測されました。 また、3月に交尾は確認されましたが、その後繁殖に関する行動が確認できなかったことから、 産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H24 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H25 × 昨年生まれの若鳥が常に観測されました。 2月と3月に交尾は確認されましたが、その後繁殖に関する行動が確認できなかったことから、 産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H26 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H27 × 昨年生まれの若鳥が確認されました。また、交尾は確認されましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H28 幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
H29 × 昨年生まれの若鳥が6月まで確認されました。 また、2月と3月に監視とまりを確認しましたが、産卵しなかった可能性が高いと考えられます。
H30 × 2月に監視とまり及び餌運搬、4月、6月に餌運搬と思われる行動を確認したものの、 9月に営巣及び幼鳥が確認されなかったことから、繁殖途中で失敗した可能性が高いと考えられます。
H31
(R1)
幼鳥の巣立ちを確認したことから繁殖成功と判断しました。
R2 × 同ペアの雄個体のみ生息が確認され、繁殖行動は確認されませんでした。
R3 × 同ペアの雌雄個体ともに生息が確認されませんでした。
R4 × 同ペアの雄個体が新たな雌個体とペアを形成したのが確認されましたが、繁殖行動は確認されませんでした。
R5 × 1月に同時飛翔(爪合わせ)が確認され、ペアが継続して形成されていることが確認されましたが、繁殖行動は確認されませんでした。

繁殖成否 ◎:繁殖の成功を確認しました ×:繁殖しなかったと判断しました

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