クマタカ通信
vol.227 2020年度完成工事紹介その2-根尾川砂防堰堤改築工事
2021年04月08日
クマタカ通信vol.227
2020年度の完成工事を、施工者の皆さんの苦労話を交えて紹介していきます。第2回は、根尾川砂防堰堤改築工事に従事した株式会社所組より寄稿いただきました。
2020年度の完成工事紹介その2
根尾川砂防堰堤改築工事
1.工事の概要
この工事では、次の3箇所の工事と維持作業を行いました。
1箇所目は、本巣市根尾板所地先(国道157号沿い)において、アテガ平谷砂防堰堤の整備に伴い必要となる、工事用兼管理用道路を造成する3期目の工事。
2箇所目は、本巣市根尾能郷地先において、能郷谷床固工群の内第1床固工の水叩の修繕と、根固めブロックの製作据付をする工事。
3箇所目は、本巣市根尾下大須地先において、河道内除石をする工事 です。
アテガ平谷完成 能郷谷完成
下大須完成
2.現場技術者の声
○現場代理人:坂本 法男 / ○監理技術者:小澤 清孝
上記の工事の概要で述べたように工事箇所の他、維持作業があり、土砂仮置場と残土処理先を含めると15箇所(アテガ平谷-能郷谷-下大須-岡谷-鷲巣谷-小鹿谷-長島魚道-倉見魚道-根尾西谷川魚道-大河原魚道-岩ノ子谷魚道-河内谷魚道-宮洞谷-東板屋-大野下磯)の現場がありまして、現場管理や作業員の人員配置計画等で翻弄させられ、思いの外苦労させてもらいました。
3.安全管理について
この工事で行った安全対策等について、いくつか紹介したいと思います。
1つ目は、アテガ平谷での法面工事です。ここの法面工事は、コンクリート吹付・連続繊維補強土・鉄筋挿入・植生基材吹付の施工をしなければなりませんでしたが、そのためのプラント機械類を配置するのには場所が狭く、ヤード確保するのに思案しました。結果、吹付プラントが水平に置けるタイミングで盛土工事を一時止めて、平場を確保して、プラントヤードを造りました。
また、この法面工事において、立木やアンカーで支持点を2点以上設けた親綱を使用しましたが、墜落防止の一環として、親綱の耐久性向上の為になるマモロールを利用しました。
アテガ平谷の工事現場の地山は、崩積土(dt)なので、なんでも無いときに落石があり、安全作業を確保する為に、工事現場全体範囲に落石防護ネットを張りました。
転落防護ネットH=500
2つ目は、下大須からの除石運搬です。この除石運搬は、除石処理地である大野町下磯まで片道45kmを運搬しなければなりません。特にその内の東板屋までの12kmの区間が、道幅がせまく、出会い頭の事故が懸念されました。そこでこの12km区間については、徐行+ヘッドライト点灯で走行することにしました。そうしたことで幸いにも事故無く、運びきることができました。
大野町下磯
3つ目は、全現場で行った過積載防止対策です。これは、重量確認した荷姿と杯数を重機の運転台に掲示し、重機運転手がバケット杯数を忘れても、荷台の状態で判断できるようにしたものです。重機運転手から好評をいただきました。
4.その他一言
発注者様と地元住民様のご理解及び協力会社の一心によるご尽力により、予定工程通り、無事工事を完了することが出来ました。ありがとうございました。又、地元住民の皆様方の砂防工事へのご理解とご協力に対し、心より感謝申し上げます。
5.工事概要
工事名:令和元年度越美山系根尾川砂防堰堤改築工事
施工者:株式会社所組
工事期間:2020.4~2021.2
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