クマタカ通信
vol.217 2019年度完成工事紹介その14-高地谷第1砂防堰堤副堤
2020年06月11日
クマタカ通信vol.217
2019年度の完成工事を、施工者の皆さんの苦労話を交えて紹介していきます。第14回は、高地谷第1砂防堰堤副堤に従事した西濃建設株式会社より寄稿いただきました。
2019年度完成工事紹介その14-
高地谷第1砂防堰堤副堤
1.工事の概要
本工事は、施工箇所下流にある小津地区を含め、揖斐川本流への土砂の流出と洪水から守る事を目的とした高さ27m・堤長87mの高地谷第1砂防堰堤新設工事の4期目の工事になります。
高地谷第1砂防堰堤全景(R2.3現在) 赤枠内が今回工事範囲
2.現場技術者の声
〇現場代理人:塩﨑 徹さん
工事期間中は、たくさんの見学者の方に来て頂きました。越美山系砂防事務所が企画された小学生を対象とした夏休み特別教室2回、岐阜大学の学生1回。弊社主催学生見学会として、岐阜農林高等学校38名・大垣工業高等学校18名・中部大学1名に参加を頂きました。小学生から大学生まで多くの方に見学して頂きました。まずもって感謝申し上げます。ありがとうございました。
現実問題として、現場を進める上で苦労した点としましては、現場では毎日のように台風のような強い風が吹くことでした。特に寒中コンクリート期間にはコンクリート養生の為、ブルーシートで全体を覆う作業がありましたが、風で飛ばされないように堅固な設置を毎回毎回しなくてはならず、大変手間がかかり苦労しました。
3.安全管理について
1)ライブカメラの活用
本工事ではコンクリート打設用のクレーンヤードが3箇所あります。そのうちの2箇所からは コンクリート打設箇所がクレーンオペレーターから全く見えない状況での作業となります。そこで、生コンの打設作業場所が一目出来る場所に、防犯カメラを利用した無線カメラを設置しました。クレーンのキャビンには専用のモニターを設置し、作業状況をクレーンオペレーターが常に把握できるよう工夫してみました。クレーンオペレーターからの反応も上々で、「安心して操作に専念出来る」との感想を頂きました。
2)接触防止の作成・活用
本工事ではコンクリート打設が主作業となる為、アジテータ車の後進時、下がりすぎによるホッパー穴への脱輪、ホッパーへの接触が懸念されました。角材による車止めも使用していますが、回数を重ねるごとにズレる事があります。より正確な停車の合図の為、雨量警報装置のサイレンと回転灯を利用して接触防止装置の作成・設置しました。停車位置にギミック付きのスイッチボックスをセットし、アジテータ車の後部バンパーがスイッチに触れると電流が流れ、警報機と回転灯が作動する仕組みとなります。警報装置を停車位置の運転席付近にセットする事により、音と光で下がりすぎを知らせます。アジテータ車の運転手からの評判も良く、誘導員の補助としては十分に効果を発揮することができました。
4.その他一言
当社では、岐阜県が推し進めている建設人材の育成・確保の取り組みに協力しています。職場体験、現場見学会、高校、大学生と当社OB社員との交流等を通じて建設業の魅力に触れて頂いています。
5.工事概要
工事名:平成30年度 越美山系高地谷第1砂防堰堤副堤
施工業者:西濃建設株式会社
工事期間:2019.5~2020.3
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