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クマタカ通信

vol.201 2019年度完成工事紹介その1-高地谷第1砂防堰堤工事

2020年01月17日

クマタカ通信vol.201

2019年度の完成工事を、施工者の皆さんの苦労話を交えて紹介しています。第1回は、高地谷第1砂防堰堤工事に従事した西濃建設株式会社より寄稿いただきました。

2019年度完成工事紹介その1-
高地谷第1砂防堰堤工事


1.工事の概要

 高地谷第1砂防堰堤工事は、揖斐川支川高知川の約8km上流に位置し、下流の小津地区や揖斐川本川を土砂災害や洪水から守る、高さ27mの砂防堰堤です。施工方法は、現地発生土とセメントを混合した砂防ソイルセメント工法によるもので、同工法による砂防堰堤としては日本最大級の堤高となります。


写真の赤線より下部:(本工事)平成30年度 越美山系高地谷第1砂防堰堤工事の施工
写真の赤線より上部:平成30年度 越美山系高地谷第1砂防堰堤副堤工事の施工



ドローンによる空撮(全景)


2.現場技術者の声

○現場代理人:大野 洋介さん
 本現場は本年度も「旬な現場」に登録され、工事期間中にたくさんの見学者が訪れました。毎年見学会が数多く行われる現場ではありますが、本年度は学生見学者の人数が多く、小学生~大学生まで延べ93名もの見学者が訪れました。土木事業の魅力について多く語る事ができ、若年層の雇用促進に、一役買う事が出来たかと思います。
 苦労した点としましては、本工事施工箇所への連絡道路にて5月~8月の約3カ月ほど全面通行止めが実施され、迂回路もない事から日中の生コンの運搬が困難となりました。夕方からの生コン打設を実施するにあたり、地元住民の方々へ生コン車の通行時間の連絡や、施工時間の変更による作業員の確保、大幅な工程の変更、生コン業者との調整、通行止めを行っている施工業者との打ち合わせなどなど、大変苦労しました。結果としては、1日の打設量を減らし、打設日を増やす事で、当初の計画より1週間程度の遅れに留める事ができました。また「週休2日相当」の試行工事ともなっており、2ヶ月先を見越した工程を組むなど調整に大変苦労しましたが、下請け業者および関係者の皆さまの協力で無事故無災害で、工期の1カ月前には完成させる事が出来ました。
 砂防ソイルセメント工法で使用する材料は、IN-situ Stabilized Excavation Materials の頭文字を取り「INSEM(インセム)材」と呼称します。その性質は、従来の生コンとは異なり土砂に近い性質の材料で、ダンプトラックで運搬して振動ローラーで締固めます。工夫した点として、本提までINSEM材を運び込む為の工事用道路の高さを、本堤の施工に合わせて上げていく必要があり、取り付け部分の仮橋も工事用道路の高さが変わるたびに設置撤去を繰り返す必要がある為、仮橋の構造を設置撤去しやすい簡易な構造のものとしました。

3.その他一言

当社では、岐阜県が推し進めている建設人材の育成・確保の取り組みに協力しています。職場体験、現場見学会、高校、大学生と当社OB社員との交流等を通じて建設業の魅力に触れていただいています。

4.工事概要

工事名:高地谷第1砂防堰堤工事
施工者:西濃建設株式会社
工事期間:2019年3月~12月

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