クマタカ通信
vol.179 113名の参加者による大規模土砂災害を想定した合同防災訓練を実施しました
2019年05月30日
クマタカ通信vol.179
国土交通省と都道府県では、防災・減災の取組の一環として、梅雨や台風の時期を迎えるにあたり、国民一人ひとりが土砂災害の防止及び被害の軽減の重要性について認識し、理解が深められるよう、毎年6月を「土砂災害防止月間」として定めています。
「土砂災害防止月間」を前に、5月28日(火)に揖斐川町に所在する揖斐川健康広場にて「越美山系大規模土砂災害合同防災訓練」を113名の参加者により実施しました。
開会式の様子
今回の訓練は、地震により複数の箇所で大規模崩壊(天然ダム)、地すべり、土石流、がけ崩れなどが同時に発生したとの想定で各防災機関が災害対応を行いました。各機関の災害時における対応を事前に開示しないシナリオの元で行うことで防災担当者の能力の向上を図ることを目的としています。具体的には、震度7の直下型地震の発生により揖斐川町坂内川上で大規模崩壊(天然ダム)、本巣市根尾松田で「地すべり」、市町各地で土石流やがけ崩れにより行方不明者や孤立地区が発生するという想定の訓練を実施しました。
越美山系砂防事務所では平成23年年より訓練を開催していますが、過去の大きな地震災害である平成7年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、平成28年の熊本地震、平成30年の北海道胆振東部地震といった災害における関係機関の対応や連携の内容やノウハウを訓練内容に反映しています。さらには、地震後の雨により被害が拡大した事例も多いことから、地震後の降雨に備えた対応も訓練内容に含めています。
例えば、地震による揺れで緩んだ地盤は雨が多くなくても崩壊や移動することがあるため、住民は早めの避難などが必要です。このため、大きな地震が発生した地域では気象庁と都道府県が連携して発表する土砂災害警戒情報は、地震前の基準よりも下げて運用し早めに警戒情報を発表しています。
地震によって発生した土砂災害に対して関係機関が連携して対処することは重要なことであるとともに、地震後は余震に加え降雨に対する警戒も強めて逃げ遅れを防ぐための情報の伝え方や、住民が行動をとることも大切です。
訓練状況(コントローラー)
訓練はより実践的に行うため、ロールプレイング方式を採用しました。ロールプレイング方式とはプレイヤー(訓練を受ける側)とコントローラー(状況を付与する進行側)とに分かれ、それぞれの役割を演じる訓練方式です。プレイヤーは事前に詳細な情報を知らされないため、各局面での判断能力や災害対応力を高めることができます。
訓練状況(プレイヤー)
訓練は本巣市及び揖斐川町で震度7を観測する直下型地震の発生により、揖斐川町坂内川上で「大規模崩壊(天然ダム)」、本巣市根尾松田で「地すべり」、市町各地で行方不明者や孤立地区が発生する想定で訓練を実施しました。
市町へ派遣のリエゾン隊員の様子
訓練中の情報伝達は電話とFAXを使用する想定で行いましたが、当事務所からは本巣市、揖斐川町に災害情報等の収集や災害対策等の支援のため職員をリエゾンとして派遣し、情報共有や連絡を行いました。
(※リエゾン:被災自治体へ災害情報等の情報収集や災害対策等の支援のため派遣される職員)
越美山系大規模土砂災害危機管理連絡調整会
越美山系大規模土砂災害危機管理連絡調整会では国、県、市町が一堂に集まり、情報共有や調整を行いました。実際に大規模土砂災害が発生した場合にも各機関の連携をとるとても重要な会議となります。
【組織名(機関数)】
国土交通省(3機関)、岐阜県(5機関)、本巣市、揖斐川町、警察(2機関)、消防(2機関)、気象庁、関係機関(5機関)
計20機関・113名参加
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