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クマタカ通信

vol.160 里山探検隊の活動 ~自然災害に対する防災意識を高め、環境との調和について学びました~

2018年09月12日

クマタカ通信 vol.160

9月に入り、夏の終焉が近いことを告げるかのごとく、赤トンボがゆうゆうと舞う光景を多く見かけるようになりました。また、虫の鳴き声や雲のかたちの変化にも季節の移ろいを感じます。本号では、夏がまだまだその勢力を見せつけ、暑い日となった先月29日に行われた「第2回里山探検隊」の活動をお伝えします。


 越美山系砂防事務所 事業開始50周年記念

 「第2回 里山探検隊」を開催!

~自然災害に対する防災意識を高め、環境との調和について学びました~


坂内白谷第1砂防堰堤にて


2018年8月29日(水)に「第2回 里山探検隊」を開催しました。参加者(隊員)のみなさんは、当日8ヵ所の目的地において、土砂災害、砂防堰堤、多目的ダムの役割等について理解を深めました。


出発前に越美山系砂防の事業を勉強します


はじめに訪れたのは、「貝月谷渓流保全工(揖斐川町日坂)」です。平成13年に完成した延長約900mの渓流保全工です。周辺がスキー場やキャンプ場等のリゾート地となっているため、整備にあたっては地域リゾートの支援を視野に入れた砂防施設づくりに配慮しました。階段状に組まれた自然石が上流から下流まで、自然の様に配置されており、周囲の環境と一体となっています。夏の暑いシーズンでは、涼しさを求めて川に入って遊ぶ姿も多くみられます。

職員から完成当時の写真パネル等により保全工整備の経緯などの説明を受けた後、隊員たちは、渓流内に入り流水に手をひたして涼をとったり、渓流脇の立派なトチノキの下にころがる栃の実を拾うなど、思い思いに自然と触れ合っていました。

貝月谷渓流保全工にて


続いて一行は「坂内白谷第1砂防堰堤(揖斐川町坂内坂本)」の工事現場を訪れました。先ず、堰堤の下流側から工事現場を見ながら、監督職員の揖斐川砂防出張所長から工事の実施方法や進捗状況など全体概要の説明を受けました。また、唯一の小学生隊員1名にはラフタークレーンの操縦体験という特典があり、見事にブームを操っていました。その後、隊員たちは堰堤最上部に移動し、施工企業である西建産業(株)の担当者から工事状況の説明を受け、工事現場の全容をカメラに収めたり、担当者に質問したりしていました。また、現場をあとにする前には、本堰堤の完成後の姿に近いということで、隣接する「地谷第2砂防堰堤」も見学しました。


出張所長による工事概要の説明を聞きます

オペレーターは小6

施工中の本堤上から工事現場を見渡します


次に訪れたのは「山の谷第1砂防堰堤(揖斐川町坂内坂本)」です。揖斐川流域は、平成4年に魚類の遡上環境の改善を推進し、より豊かな水域環境の創出を図ることを目的とした「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」のモデル河川に指定されました。山の谷第1砂防堰堤においても魚が遡上可能な渓流環境に配慮し、たて型壁面魚道を含め3種類の魚道を設置しました。山の谷は別名アマゴの谷と呼ばれるほど魚が豊富であり、アマゴやアユが遡上可能な渓流環境に配慮する必要がありました。また住民の思い入れも強く、魚道設置要望が強かったことから魚道を設置することとしました。
ここでは、この堰堤の施工企業である(株)山辰組の担当者から、魚道のしくみや当企業が開発した新技術に関する説明や実演が行われました。環境に配慮された魚道に興味津々に見入っていました。


サイフォン原理の実演に隊員も協力します

たて型壁面魚道を設置した山の谷第1砂防堰堤にて


トイレ休憩を挟んで訪れたのは「ナンノ谷砂防公園(揖斐川町坂内川上)」です。明治28年に発生した管内三大崩壊地のひとつ「ナンノ谷大崩壊地※」により甚大な被害を受けた箇所で、土砂が流れ出して下流に被害が無いように床固工及び護岸工が施工されました。この地区は、坂内バイクランドの整備と関連づけ、地元の方々と共同で公園整備を行いました。年に2回バイクレースが行われ、近距離でのレース観戦は迫力満点です。

この日はちょうど数台のバイクがコースを練習走行している様子が見られました。

※ナンノ谷大崩壊地…明治28年8月に豪雨と長雨で2度にわたり崩壊、約153万m³の崩壊土砂が一時坂内川を堰き止め、幅35m~100m、長さ1.5kmの天然ダム湖をつくった。この天然ダムが8月12日に決壊し、現在の坂内広瀬・坂本などで氾濫し、死者4人・家屋流失23戸の被害をもたらした。


ナンノ谷さぼう公園にて記念撮影


午前中最後の見学場所は「坂内砂防堰堤(揖斐川町坂内広瀬)」です。この堰堤は先の「山の谷第1砂防堰堤」とは異なり、階段式魚道が設置されています。職員から魚道に隣接するすべり台状の水路の役割を聞いた隊員たちはみな感心していました。また、ここは水が大変清らかで、木々の緑もとても鮮やかなため、皆さんしきりにシャッターを切っていました。


水と緑が調和した堰堤からの眺め


昼食休憩のあと、「横山ダム(揖斐川町東横山)」を見学しました。横山ダムは、治水や水資源開発に対する地域からの養成によって建設されました。昭和26年から岐阜県による調査が始まり、昭和28年からは所管が建設省(現在の国土交通省)に移りました。昭和34年に工事着手、昭和39年に完成しました。横山ダムの役割は二つあり、一つは洪水調節によって下流地域の洪水被害を軽減します。平成20年5月には、徳山ダムとの本格的な連携運用をスタートさせ、治水・利水機能をさらに強化しました。もう一つは、ダムに貯めた水を利用して発電する役割です。中部電力横山発電所の発電機の水車を回して、水力発電しています。横山ダムは「中空重力式コンクリートダム」で、日本でも13箇所しかない珍しい形式のダムです。

見学は2班にわかれて、横山ダム管理支所職員の案内により各施設の説明を受けました。当日は気温が上がり暑い日でしたが、エレベーターで階層を下るほど温度が低くなり、最下階ではひんやりするほどでした。初めて堤体内に入った隊員は中空部分(ファンタジーホール)の広さに驚いていました。中には見学10回目という強者もいました。


ダム天端から貯水池を眺めます

ファンタジーホールの広さにびっくり!

横山ダムについて学習します

過去には堤体内で映画の撮影も行われました


最後の活動場所は「大蔵谷第1砂防堰堤(揖斐川町樫原)」です。本堰堤より約1km上流において、平成18年5月に地すべりが発生し、さらに平成20年9月の西濃豪雨により出水がありました。このため、土石流として流下する土砂や流木を捕捉し、揖斐川本川への土砂流入を抑制する目的で、鋼製透過型砂防堰堤として建設されました。

この堰堤は、水量が少なければスリット内の通り抜けができます。この日は前日の降雨によって多少の流水がありましたが、巨大なスリットを真下から見ようと多くの隊員たちが足下が濡れるのを覚悟で行き来していました。


職員の説明を熱心に聞きます

スリット内の通り抜けも体験しました


活動を終え、事務所に戻った隊員は記念のSABOカード(揖斐川筋の砂防施設4枚)を受領し、解散となりました。


【隊員の感想(一部)】

・現場を見ると皆様のご苦労が良くわかります。
・こういった見学等によって砂防ダムの役割や作用を知ってもらう活動はとても大切だということがよくわかりました。
・砂防は私たち日常生活上欠かすことの出来ないことと思いました。
・一人でも参加者が多くなるPRが必要だと思いました。
・わかり易い説明等良かったです。
・地元に帰って砂防堰堤の重要性を見直してみたいです。


当日は天候には恵まれましたが、日差しが強く暑い一日でした。そんな中ではありましたが、参加した隊員たちは元気に活動し、土砂災害や砂防事業について学び、何かを感じとったのではないでしょうか。
参加された隊員の皆さん、お疲れさまでした。そして、ご協力いただいた方々、ありがとうございました。


「里山探検隊」とは…揖斐川下流地域等の住民が隊員となり、揖斐川上流域や山間部の自然や土砂災害の様子、下流域との関わりを学び、体験していただくことを目的とした越美山系砂防事務所が主催する現地見学会です。


実施概要

日時  2018年8月29日(水) 9時~16時
見学場所  貝月谷渓流保全工、坂内白谷第1砂防堰堤、地谷第2砂防堰堤、山の谷第1砂防堰堤、ナンノ谷さぼう公園、坂内砂防堰堤、横山ダム、大蔵谷第1砂防堰堤
参加人数  里山探検隊員10名、砂防ボランティア2名
協力  横山ダム管理支所、西建産業(株)、(株)山辰組



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