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クマタカ通信

vol.154 第1回 里山探検隊 ~悠久の時の流れを感じながら砂防施設の役割を学びました~

2018年07月17日

クマタカ通信 vol.154

東海地方は梅雨明けし、せみの元気な鳴き声が聞こえる日も増えてきました。今号では6月最後の週末に開催した「第1回里山探検隊」について、報告します。


 越美山系砂防事務所 事業開始50周年記念

 「第1回 里山探検隊」を開催!
~悠久の時の流れを感じながら砂防施設の役割を学びました~


敷原谷第1砂防堰堤(本巣市根尾門脇)

2018年6月30日(土)に「第1回 里山探検隊」を開催しました。参加者(隊員)のみなさんには、当日5ヵ所の目的地において、地震・断層、土砂災害、砂防堰堤などについて理解を深めました。



根尾谷地震断層観察館(本巣市根尾水鳥)

はじめに訪れたのは、「地震断層観察館・体験館」です。濃尾地震は、明治24(1891)年に起きた国内最大マグニチュード8.0(直下型)とされる巨大地震です。震度7の揺れの後、震度6規模の余震が頻発したとされています。その震源地となった旧根尾村に出現した国指定特別天然記念物の根尾谷断層を保存展示しています。本巣市根尾公民館の三本木氏から説明を聞いた隊員たちは、濃尾地震がどれほどの大地震だったのか、地震の恐ろしさなどをひしひしと感じとったことでしょう
なお、この地震は越美山系の山をもろくした原因となっています。



根尾白谷大崩壊地(本巣市根尾白谷) 過去の災害を忘れない…

続いて、越美山系砂防事務所管内の三大崩壊地のひとつ「根尾白谷大崩壊地」に行きました。ここでは、当事務所職員が崩壊発生時の状況などをパネル等を使って説明しました。
昭和40(1965)年9月13日から15日にかけての集中豪雨によって、15日の正午頃、大音響とともに根尾白谷源頭の尾根部、特に東側の部分が崩壊しました。崩壊土砂は、大半が根尾白谷中流部の狭窄部より上流に残留しましたが、残りの土砂は本川八谷に流入し、かろうじて最も近い小倉集落は埋没を免れました。しかし、耕地の埋没や土木施設などの被害が生じました。現在もガリー状の浸食が進んでおり、土砂生産は活発に行われています。
降水による集約した水の流れによって、地表面が削られてできた地形



鷲巣谷第1砂防堰堤(本巣市根尾神所) 集合写真をパシャリ!

昼食休憩をはさんで訪れたのが「鷲巣谷第1砂防堰堤」です。平成8(1996)年に完成した、重力式コンクリート堰堤で、地元が進める淡墨公園構想の拠点のひとつとして整備されました。管理用と散策路を兼ねた通路をダム直下に設け、流れ落ちる水を裏から眺めることができる構造は日本で初めてのものです。前日の降雨のため普段よりも水量が増し、堰堤から流れ落ちる滝はとても迫力がありました。




高地谷第1砂防堰堤(揖斐川町小津) ドキドキ!ドローン操作体験!


見晴台にて説明を受け、建設現場を見学中

最後に、本巣市から揖斐川町へ移動し、現在建設中の「高地谷第1砂防堰堤」を訪れました。「高地谷見晴台」と名付けられた工事状況を一望できる展望台において、施工企業の社員による工事概要の説明を聞きながら、将来完成する堰堤の高さや大きさを体感しました。
その後、施工企業の社員の指導のもと、隊員はドローン操作を体験し、工事の記録や監視への利用方法も学びました。普段馴染みの少ないドローンを真剣な眼差しで操作していました。

◎高地谷第1砂防堰堤:揖斐川町小津地区を土砂災害から保全するほか、揖斐川本川に土砂が流入することによる洪水発生を防止する目的で施工中。従来工法よりも工費及び工期の縮減を目指して「砂防ソイルセメント工法※」を採用。本堤の高さは27mとこの工法による堰堤では日本最大級になります。

※セメントと現地発生土砂を混合し堰堤の材料とするもので、現地条件により従来のコンクリート堰堤よりも安価かつ急速に施工できる工法




初!!SABOカードを配布しました!

隊員は、活動終了後に記念のSABOカードを受領しました。越美山系砂防事務所のSABOカードの配布は今回が初めてです。



【隊員の感想】

・滅多に見ることのできない砂防の現場を見学できてとても貴重な体験をすることができた。
・今後も砂防について調べて学んでみたい。
・砂防堰堤が自然環境に対する影響について調べてみようと思った。
・また訪れたい!


当日は梅雨の真っ只中で天候が心配されましたが、幸運にも開始までには雨は止んでくれました。全ての見学地で隊員のみなさんが興味を持って真剣に耳を傾け、職員や砂防ボランティアの方に多くの質問をしていました。
8月29日(水)には、「第2回里山探検隊」が行われます。次回は揖斐川上流部を巡ります。さらに隊員のみなさんに満足していただけるよう、職員一同頑張ります。


「里山探検隊」とは …揖斐川下流地域等の住民が隊員となり、揖斐川上流域や山間部の自然や土砂災害の様子、下流域との関わりを学び、体験していただくことを目的とした越美山系砂防事務所が主催する現地見学会です。


実施概要

日時  2018年6月30日(土) 9時~16時

見学場所  根尾谷地震断層観察館・地震体験館、根尾白谷大崩壊地、敷原谷第1砂防堰堤、鷲巣谷第1砂防堰堤、高地谷第1砂防堰堤工事現場

参加人数  里山探検隊員8人、砂防ボランティア1名

協力  本巣市根尾公民館、西濃建設株式会社



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夜叉ヶ池の山開きが行われました

美濃と越前の国境に位置し、雨乞いのために娘が龍神に嫁ぐという伝説が残る夜叉ヶ池(標高約1,100m)の登山シーズン開始を告げる岐阜県側の山開きが6月30日(土)、登山口へ通じる町道の開通に合わせて行われました。登山口までは揖斐川町中心部から約70分とアクセスが良く、新緑や紅葉のシーズンには多くの登山客で賑わいます。

揖斐川町、坂内観光協会、登山団体が参加して2018年の登山シーズンの安全を祈願した後に祈念登山が行われました。揖斐川町長の挨拶では、観光客の誘致に加えて住民の健康のためにも夜叉ヶ池を始めとする山々に訪れて欲しいとのメッセージが発せられました。

参加した当事務所の所長からは、登山時には安全のために気象情報に注意するのと同じように、日々の生活でも土砂災害などから身を守るために気象情報を活用して頂きたいと、山開きのお祝いの中で伝えました。

概要
日時 2018年6月30日(土)9時~9時30分
場所 夜叉ヶ池登山口駐車場(揖斐川町坂内川上)
主催 坂内観光協会


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