~建設ICT導入研究会~
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ICTレポート【平成20年11月26日 豊橋バイパス】


 現場レポート 「情報化施工工事の現場を見てきました!!」
 中部地方整備局では建設ICTに対する意識と技術力の向上を目的とし、建設ICT現場見学会を実施しております。私もその見学会に参加しましたのでその様子を報告させていただきます。

 平成20年11月26日(水)13:00。快晴。 
 今回お邪魔した現場は名四国道事務所発注の「平成19年度23号豊橋東BP小島西地区道路建設工事」です。
 私が情報化施工現場を見学させてもらうのがこれで3回目です。前回、前々回はマシンコントロール技術でしたが、今回は「GPSを用いた転圧管理システム」というものでした。
 まずは、現場事務所にて施工業者である西武建設(株)の技術者から工事概要やシステムの概要等の説明を受け、その後実際の現場にて施工状況の見学をさせていただきました。
 「GPSを用いた転圧管理システム」とは、盛土の締固め管理手法の一つで、これまでの盛土の品質管理では、締固めた土の密度や含水比等を点的に測定する品質規定方式にかわって、締め固め回数によってヤード全域を面的に管理する工法規定方式で、その効果は以下のとおりです。

・盛土全面の管理による品質の向上
・締め固め状況の早期把握による工期短縮
・締め固め回数の管理による過不足転圧、最転圧の防止
・砂置換法・RI計法に比べ、品質管理業務の簡素化、効率化ができる。
・オペレータの熟練度に左右されない

 システムを簡単に説明しますと、振動ローラに設置されたGPS受信機で自車の位置を把握し、何回同じ所を走行したかを瞬時に運転席に設置されたモニターで確認できるというもの。これらの走行状況はパソコン上に保存され、現場事務所等に持ち帰って必要な帳票の作成もできます。

 既にこの管理手法は「TS・GPSを用いた盛土の締固め情報化施工管理要領(案)」としてとりまとめられており、土木工事施工管理基準でも試験方法の一つとして明記されています。今回の現場では技術提案で、GPSを用いた締固め管理とRI計測器による現場密度測定を併用して使われていました。

今回現場を施工している西武建設(株)では、今回初めてこのシステムを導入されたとのことです。導入理由は「本システムを会社のノウハウとして取り入れたかった」との事です。他にもこのような建設企業が現れることを期待します。

 今後サテライト会員向けの現場見学会、研修会等を開催していく予定をしております。その際は是非参加ください。
 また、皆さんの現場で「うちもICTを活用してこんなことしてるぞ!!」という事例がありましたら研究会事務局に連絡を頂けたら幸いです。

建設ICT現場見学会の様子
現場事務所にて説明を受ける参加者

ひろ~い現場(奥に見えるのが振動ローラ)

振動ローラの前で説明を受ける参加者

車載端末(真ん中のピンクの帯が走行軌跡)

見学会資料等
見学会説明資料   豊橋東バイパスパンフレット
☆現場レポート☆ 作業員さんに聞いてみました!! 実際どうなんですかね?
せっかくの機会なので、実際に作業をしているオペレータさんに話を聞いてみました。

○すいませんちょっとお話聞かせて下さ い。   
△「どうぞ・・」
○この装置を使われるのは初めてですよね?
△「今回が初めてだよ。」
○そうですよね。使う前って抵抗ってなかったですか?
△ 「特に抵抗感はなかったよ。これが入った事で操作方法が変わるわけじゃないから」」
○実際使ってみてどうですか?良いとこってなんですか??
△ 「今までだと、走った場所や回数を覚えておかなければならなかったけど、これは一目で分かるから運転に集中出来る。」
○ではデメリットってなんですか?
△ 「走行履歴が全部残っていて、ほんの少しでも踏み残しがあったらそこだけまた踏みに行かなければならない。ごまかしがきかないわな・・(笑)」
○(うちにとったらメリットかも・・)今後もこんなシステムがついていたら良いと思いますか?
△ 「そりゃいいと思う。けど高いらしいな。うちらはそんなこと気にしなくても良いけど・・」
○そうですね。どうもありがとうございました。   

 今回の現場でもオペレータさんの評判はいいみたいです。どこに行っても言われるのは機器が高いって事ですね。もう少し普及すると値段もそれなりに下がってくるんでしょうけど何とかしなければならないと感じました。

今回現場見学会にご協力頂きました名四国道事務所の皆様西武部建設 (株)の皆様どうもありがとうございました。