建設ICTとは?

 良好な住宅・社会資本を効率的に整備する上で、建設施工の機械化は大きな役割を果たしてきました。しかし、近年の社会状況を見ると、財政制約や生産年齢人口の減少、環境への意識の高まり等を背景に、品質、コスト、安全、環境を含めたさらなる建設生産の合理化が求められています。
 一方、近年、コンピュータや通信技術などの情報化分野で急速な技術革新が進んでおり、建設産業でもこれらの情報通信技術(以下 「ICT (Information and Communication Technology)」という)を活用した合理的な生産システムの導入・普及の促進により、技術集約的産業へ、そしてより魅力的な産業へと変革していくことが期待されています。
 国土交通省では、こうした状況を踏まえ、ICTを建設施工に適用して、多様な情報の効率的な活用により、施工の合理化を図る生産システムとして情報化施工の普及を促進しています。
 また、調査・設計段階、維持管理及び修繕の段階も、一連の建設生産システムとして捉え、これらの段階での3次元設計の導入やICタグの活用等のICTを活用することで、効率的・効果的な事業執行を図って参ります。
 (*「調査・設計・施工・維持管理・修繕の一連の建設生産システムにおいて、効率化・高度化による生産性向上に寄与する情報通信技術」を「建設ICT」といいます。)
 さて、実際問題として、これらの建設ICTを現場において「モデル事業」として実践し、建設生産システムの効率化・高度化による生産性向上を目指し、効率的な業務執行を進める中で、現場に力点を移しつつ、現場技術力の強化を図ってまいります。
 「建設ICT導入普及研究会」は、現場が円滑に進むために、技術の普及、現場支援及び基準策定等の課題解決を行って参ります。

情報施工推進会議と推進戦略
 国土交通省では、建設施工の生産性向上、品質確保、安全性向上、熟練労働者不足への対応など、建設施工が直面している諸課題に対応するICT施工技術(情報化施工)の普及に向けて、産学官の委員により構成する「情報化施工推進会議」を平成20年2月25日に設立しました。
 本会議は、平成20年7月31日に「情報化施工推進戦略をとりまとめ、情報化施工の普及推進に取り組んで参りました。平成24年度をもって、「情報化施工推進戦略」(平成20年7月31日策定)の戦略期間を終え、平成25年3月29日に、新たな「情報化施工推進戦略をとりまとめました。
 本推進戦略は、中長期的な目標となる情報化施工の目指す姿を明らかにし、建設事業の課題と情報化施工への期待ならびに情報化施工推進を巡る現状を整理し、本推進戦略の期間である平成25年度からの5年間に大きな柱として推進する目標とその達成に向けて取り組む項目として、5つの重点目標と10の取り組みを設定しています。また、本推進戦略の継続的な実効性を確保するための体制と施策を示し、定期的にフォローアップを実施することとしています。
 今後、本戦略の実施に向け、着実な取り組みを進めてまいります。

 情報化施工推進会議及び推進戦略の詳細は国土交通省ホームーページにて公開されております。