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情報誌はちゅ〜す Vol.35 ピックアップ
特集:蓮ダムができるまで

 蓮ダムは、水源地域の人々の理解と協力のもと、長い歳月と巨費をもって造られました。 今回は、建設前や工事中の当時を振り返って、完成までの歩みをたどります。
参考文献: 「蓮ダム工事誌」(平成5年、建設省中部地方建設局蓮ダム工事事務所)
「民俗学研究所紀要 10集」(昭和61年、成城大学民俗学研究所)


【建設前の水源地域の様子】

 櫛田川支流の蓮川一帯は、ほとんどが山林で、現在のダム湖およびその上流には3つの集落(青田、猿山、蓮)がありました。昭和35年当時で214世帯1098人(3集落合計)が生活しており、一部で雑穀・野菜類・茶等の栽培を行っていましたが、おもに山林で働いて生計を立てていました。丸太や木炭の生産は、この地域の代表的な産業でした。

 昭和40年頃からは旧飯高町全体で人口が大きく減少し続け、3集落においても過疎化が急速に進行しました。
建設前の水源地域の様子

建設前の水源地域の様子

水没前の青田川(蓮川支流、不殿地先)
水没前の青田川(蓮川支流、不殿地先)
辻堂橋より蓮川上流を望む(水没)
辻堂橋より蓮川上流を望む(水没)
青田保育園(廃園)
青田保育園(廃園)
深山小学校(水没廃校)
深山小学校(水没廃校)


【蓮ダム建設の背景】

 旧飯高町は、過去に大雨や台風などによって、度々災害に見舞われてきました。伊勢湾台風等の昭和前期の激しい災害を経験したことによって櫛田川流域の治水計画が改められ、蓮ダム建設が議論されるようになりました。

 一方、高度経済成長による産業の発達や、人口の増大、生活水準の向上等によって、松阪市をはじめとする三重県南勢部における水需要と電力需要が増大したため、対応が求められていました。

 そこで、治水・利水・発電等の目的を持つ多目的ダムとして蓮ダムの建設計画が進められたのです。


伊勢湾台風による災害の様子(昭和34年9月)
伊勢湾台風による災害の様子(昭和34年9月)


【住民との協議と移転】

 昭和45年、建設に向けた調査の申し入れに対し、地元は建設反対の方が多数を占めていました。地元の要望に対する回答など、関係者間で協議を重ねた結果、昭和46年から調査に入り、昭和49年には建設事業に着手しました。

 ダム湖に水没する66戸の他、工事やコンクリート材料の採取などに伴って移転を強いられた家屋も含め、192戸に移転していただき、3集落は廃村となりました。山林や家屋を持つ住民に対する補償(一般補償)は、昭和53年に締結しました。

 また、道路や学校等を失う三重県や旧飯高町に対する補償(公共補償)、櫛田川流域や河口部で漁に支障が生じる漁業組合に対する補償(漁業補償)についても協議しました。さらに、移転者への生活再建の支援や、残った地域への過疎化対策、上下流の交流などを進め、現在でも地域振興のために協力しています。


蓮ダム建設に伴う損失補償基準の締結(昭和53年3月)
蓮ダム建設に伴う損失補償基準の締結(昭和53年3月)


【建設工事の状況、そして完成へ】

 昭和56年からダム本体の工事に着手し、蓮ダム下流1.5kmからコンクリート材料となる原石を採取して、ダム本体の工事を進めていきました。コンクリートの打設には昼夜休まず3年を要しました。
 平成3年9月30日、事業着手から20年近い歳月と830億円を投じて蓮ダムが完成したのです。
@掘削前(上流から)
@掘削前(上流から)
A掘削完了(上流から)
A掘削完了(上流から)
Bコンクリート打設(昭和59年)
Bコンクリート打設(昭和59年)
Cコンクリート打設(昭和60年)
Cコンクリート打設(昭和60年)
D打設完了(昭和61年)
D打設完了(昭和61年)
E試験湛(たん)水開始(平成元年、上流から)
E試験湛(たん)水開始(平成元年、上流から)
あそびにおいで
Q.ダム湖に魚はいますか。いるとしたらどんな魚がいますか。
 (三重県多気郡多気町、伊達さん他1名)


A. 全国の主なダム湖や河川とその周辺では、「河川水辺の国勢調査」が行われ、魚介類をはじめとする動物や、植物の生育状況について調査されています。平成18年の調査では、蓮ダムのダム湖内でアユ、アマゴ、ウグイ、オイカワ、カジカ、カワムツ、コイ、シマドジョウ、ハスなどの魚類が確認されました。また、特定外来種注であるオオクチバス(ブラックバス)やブルーギルも確認されており、他の生物への影響が心配されます。

※特定外来種とは、海外から持ち込まれた生物種のうち、日本にもともといる種や生態系等に深刻な影響を与えるものであり、「外来生物法」によって野外への放流、飼育、運搬などが禁止されています。
オイカワ
オイカワ
オオクチバス
オオクチバス
ウグイ
ウグイ
ブルーギル
ブルーギル
あそびにおいで
【つつじの里 荒滝 佐々木八重子さん】

 飯高町赤桶(あこう)のひっそりとした山あいに、荒滝不動尊が祀(まつ)られています。この不動尊は、14、15世紀に伊勢の国司であった北畠氏が、峠の安全を祈って安置したのが始まりとされています。明治時代から地元有志がゴヨウツツジを植えており、春には山肌一面を真紅に染める大きなツツジを見に多くの人で賑わいます。しかし、意外と知られていない見所が、秋の紅葉。不動尊のほど近くに建つキャンプ場併設の宿泊施設、つつじの里荒滝の佐々木さんにお話をうかがいました。

 「ここは集落から離れているので静かですし、春はサクラとツツジ、夏はゲンジボタル、秋はモミジと、四季折々の豊かな自然を貸し切りできます。キャンプファイヤーはもちろん、演奏会などの利用もありますよ。」

 コテージ、釣堀、プールなどが整備されており、そばの谷川には透き通った水が流れ、自然と遊ぶには申し分のない場所です。

 「夏のキャンプが定番ですが、これからの時期は空気が澄んで、温度差が大きいため鮮やかな紅葉が見られます。地元で獲(と)ったイノシシを使ったぼたん鍋もおすすめです。自然の美しさと大地の実りを求めて、ぜひお越し下さい。」

 昼は紅葉狩りをして、夜は満天の星空を眺めた後、暖かいログハウスでジビエ(野生の鳥獣肉)料理に舌鼓を打つ。そんな楽しみ方をされてはいかがでしょうか。


【つつじの里 荒滝】
松阪市飯高町赤桶1076-3  TEL:0598-46-0166
URL: http://www.ma.mctv.ne.jp/~arataki/
つつじの里荒滝の佐々木さん
つつじの里荒滝の佐々木さん

毎年4月29日にはお祭りと不動尊の会式が行われます。
毎年4月29日にはお祭りと不動尊の会式が行われます。
奥香肌湖自然さんぽ
【きのこを育(はぐく)む豊穣(ほうじょう)の森】

 秋の味覚の代表格、きのこ。蓮ダム周辺の山々では、秋から初冬にかけて、クリタケ、ヒラタケ、シイタケ、ヌメリスギタケ、ナメコなど、多くの食べられるきのこが見られます。平地では見かけない奥山に発生する種が多く、沢筋の倒木などの湿った環境でよく育ちます。

 きのこは枯れた木を土へと戻す分解者であり、カタツムリやナメクジの格好の餌にもなっているなど、豊かな森をつくる役割を持っているのです。

 世界中に存在するきのこは1万種とも10万種とも言われ、飯高地域だけでも50種以上が確認されています。中には猛毒を持つものや、判別が難しいものもあるため、素人が採取して食べることは大変危険です。

 櫛田川流域では、家庭でシイタケ等が簡単に栽培できる菌床(きんしょう)を販売している店や、地元産の原木シイタケやハタケシメジを販売している店があります。また、1〜3月にはシイタケ栽培用の「ほだ木」に種菌(たねきん)を植え付ける「菌打ち体験」を行っている施設もあります。風味抜群の採りたてのきのこを味わいたい方、ぜひこの地を訪れて、森の恵みに触れてみてください。
クリタケ
クリタケ

森の中はシイタケ等を栽培するのに最適です。
森の中はシイタケ等を栽培するのに最適です。
【奥香肌湖水源地ハイキングのお知らせ】

飯高山岳会にご協力いただいてハイキングを開催します。
日時: 平成21年1月18日(日) ※雨天中止
集合: 8時30分松阪市飯高地域振興局(道の駅飯高駅隣)
参加費: 50円(保険料)
注意事項: 安全のため、アイゼンが必要です。
定員: 20名(抽選による)
申込方法: 葉書、FAX、または電子メールで、氏名、年齢、住所、電話番号、アイゼンの有無を明記して、蓮ダム管理所までお申し込みください。
締め切りは平成20年12月19日(金)必着。
抽選結果は12月下旬に発送します。
昨年の奥香肌湖春まつりのようす
昨年冬の奥香肌湖水源地ハイキングの一コマ
【自然体験交流会の開催報告】

 平成20年7月27日(日)に、櫛田川上下流交流の一環として、飯高町の市民グループ等との協働による「自然体験交流会」を開催しました。 参加した小学生は、ダム見学、流木船づくり、川遊び、炭焼き窯見学を行い、水源地の自然を楽しんでもらいました。
昨年の奥香肌湖春まつりのようす
自然体験交流会のようす
WaiWaiひろば
読者のおたよりコーナー

・昭和34年9月、ろうそくのほの暗い光の中、そうめんばかりの日々。
 救援物資の配分、分散授業、運動会の中止、保健婦さんが来て家中白い粉の散布。
 我が家は床上浸水でした。(三重県松阪市 宮本さん)

はちゅ〜す34号の特集「蓮ダムができるまで」に対して、当時の様子を思い出したとのお便りをたくさんいただきました。水害の怖さや当時の苦労を偲んでいただくとともに、災害に備える良い機会となりましたでしょうか。職員一同、気を引き締めて洪水防止に務めてまいります。
蓮の一句

・ダム湖畔老鶯鳴き合う遊歩道 (三重県多気郡多気町 原田幸子さん)
・蓮開く音を聞かむと明けの池 (岐阜県不破郡関ヶ原町 相撲正一さん)
・秋を着て滝に手合す蓮めぐり (三重県松阪市 川口博さん)

★投稿作品募集中!
「蓮ダム」「飯高」「櫛田川」をテーマにした俳句、川柳、写真、絵などを募集しています。携帯電話で撮影した写真を添付してメールを送っていただいても構いません。応募いただいた作品の一部は「はちゅ〜す」やホームページで紹介します。作品の返却を希望される方は「返却希望」と明記してください。 ※はちゅ〜すへのご意見、ご感想もお待ちしております。
管理所だより
【一日ダム開放が開催されました】

7月下旬の「森と湖に親しむ旬間」にあわせて、19日(土)と20日(日)に、ダムの仕組みや役割をご理解いただくための「一日ダム開放」を開催し、2日間で総勢111名の方にご参加いただきました。 特に19日は通常の見学コースとは異なり、ダム湖内の巡視体験もできる2時間コースでご案内しました。
秋ハイキングのようす
一日ダム開放のようす