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天竜川上流ニュースレター 19号(2013/2/28)
【主催】 伊那谷自然友の会
【案内】 松島信幸、寺平宏、滝川利秋
【場所】 天竜川駒ヶ根南向堰堤〜豊丘村万年橋
【日時】 平成25年2月17日(日) 8:00〜17:00
「天龍川冬景色に見えるもの」と題した自然探索ジオツアーは、冬季に葉を落とした河川風景の中に姿を現す歴史的建造物や、伊那谷・天竜川の成り立ちを訪ねる現地見学会です。伊那谷地質研究の第一人者である松島信幸先生のご案内で駒ヶ根市から豊丘村の天竜川を探索しました。途中に2名の現地案内人さんや当事務所管理課:山上の説明も交え、多彩な見学箇所を日没まで巡りました。
ここでは、取材で印象深かった箇所を選出してご紹介します。
■中部電力南向堰堤
ツアーの出発点は駒ヶ根市吉瀬にある中部電力南向堰堤からで、ここでは一般者の通路にもなっている天竜川を横断する堰堤の管理橋を渡りながら、昭和4年に建設され約15km下流の中川村南向地先までトンネルにより導水され最大出力26,000kwで発電していること、堰堤の魚道、下流への義務放流量、ゲートが回転するローリングゲートの構造などについて説明を受けました。
■吉瀬集落からの眺望
眼下に天竜川を見おろし、西箕輪から蛇峠山までを見通すことができる最高の眺望地点でした。田切3河川に押さえつけられた天竜川や、太田切川が運んだ礫で構成された月夜平の台地に、伊那谷・天竜川の壮大な営みを感じました。
■与田切大橋から見る断崖
まさに積み重なった大地の歴史。高さ50mの切り立った崖には御嶽山の噴火により3万年前、9万年前に堆積した火山灰の地層も確認できるようです。与田切扇状地形成の歴史を間近に見ることができ、圧巻の眺めでした。
■河川工事と治水遺構
河川工事も冬の天竜川の風景の一つです。松島先生いわく「河川工事の河床掘削で現れた天竜川の古い礫層は“宝の山”」。河床下の古い礫層には貴重な情報が刻まれているようです。
また、200数十年前の治水の技術を今に伝える理兵衛堤防では、築堤には前沢川とその源流部である市田花崗岩の山々とも関わりが深いことを知りました。
■竜東井取水口の変遷
下伊那の竜東を潤す竜東井(竜東一貫水路)の取水口は、現在は天竜川の間沢川合流の上流側(松川町生田)にありますが、約350年前は万年橋下流にあったようです。その間、天竜川の河床低下によって取り入れ口を次第に上流に移していった数箇所の形跡が確認できました。
案内役を努めた河野新田地区水利組合長の滝川さんは、水の恩恵に感謝しつつ、将来は小水力発電にも取り組みたいと夢を語っていただきました。
途中には火山灰研究者の寺平宏さん宅(中川村)に立ち寄り、魚の耳石の化石などに着目した研究などを、全国各地から採集した研究用の化石標本を直接手にとりながら説明いただきました。
ツアーを終えて、伊那谷・天竜川の成り立ちやそのたたずまいの魅力を再認しました。またその魅力を伝える松島先生の熱意を強く感じました。当日資料として配布されたガイドマップを先生のご厚意により掲載させていただきました。精緻でいて暖かみのある手描きの文字・イラストに盛りだくさんな情報は、天竜川散策をより楽しく充実したものにしてくれます。
現在、当事務所が推進している「人と暮らしの伊那谷遺産プロジェクト」にも関連する見どころが随所に折り混ぜられ、計画中の現地見学会の運営にも参考になるジオツアーでした。
松島先生の手描きのガイドマップ (クリックで拡大します)
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