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ざざむし通信 第4号(2011/07/25)

アレチウリ(平成23年7月25日 土)

アレチウリ

130名という参加者は、半端ではありません。南箕輪村の人口が1万5千人ですから、約1%ですよ。その人たちが堤防の清掃とアレチウリの駆除のために朝6時から集まるのです。結構な年齢の方から、子ども、生徒さんまで。

そのアレチウリ駆除の方の班に入れていただき、いっしょに汗を流しました。行ったその場所のすごいことと言ったら・・・。一面(全面?)がアレチウリ。根っこを引き抜くのがこつですが、根に到達するのが至難のワザ。絨毯となっている片方からめくりあげ、太い根に到達するまでがたいへん。途中で、ヘビ(ヤマカガシ)は出てくるし・・・。

話を聞くと、隣の部隊はクズとのミックス地帯で、それも難しかったとか。そして、堤防のごみ拾い部隊は距離も長く、ごみの量も結構なものだったということで、さすが130人の威力というわけでした。

しかし皆さん、堤防の道路を利用するのは、モラルをもってお願いします。信濃毎日新聞の「山ろく清談」でも日本人には「お天道さまが見ている」「ご先祖に顔向けできない」という法に規制されないモラルがあったといったインタビューでした。法でも罰せられますが、コンビニ弁当を堤防に捨てて恥ずかしくありませんか?

激特完成式(平成23年7月22日 金)

アユの放流

通称:ゲキトクとは大きな災害にあったとき、緊急的にまとまった予算で復旧、改良を行う事業です。今から5年前の平成18年7月豪雨災害で天竜川の箕輪町北島地先で堤防が決壊しました。運が良かったのは、周りの地盤が高かったので、すぐさま天竜川の水が広がっていかなかったこと。ハラハラしたのは、東京電力と中部電力の鉄塔が倒れる心配があったこと。

この豪雨は小さな沢筋の土石流で犠牲になった方も多く、近くの小川を見くびってはいけないこと、長野県砂防施設の効果で、老人施設や病院が守られ、その効果に納得したこともありましたね。

話しは脱線しましたが、5年と限られた中でのゲキトク事業が完成し、天竜川を掘り下げ、護岸を強固にし、釜口水門の最大放流量を上げることができました。上下流問題とか言いますが、伊那の人たちの紳士的なことはすばらしく、諏訪湖周辺のはん濫を減らすために、放流量アップを淡々と受け入れていることです。なかなかできません。

そしてその完成式典では、わが「伊那施工技術研究会」が自然環境に配慮した工事の工夫の色々を紹介しました。工事で河川を濁らせないこと、貴重植物を保全すること、自然な流れに戻すこと。簡単にいいますが、簡単ではないことです。その取組みは、もっと地域に評価されても良いのでは?またまた、土木技術者の内向的な性格が残念です。写真は、1200匹アユの記念放流です。

すばらしい工事とは(平成23年7月21日 木)

工事表彰

7月10 16日は国土建設週間。毎年優良工事・業務の表彰があります。だれが優良であるのかを決めるのか。工事を総括して監督する事務所長、工事を直接監督する出張所長、工事の検査をおこなう検査官がそれぞれに工事や業務の結果を100点満点で評価するのです。この3者の評価をもとに工事の評価、工事に携わった技術者の評価が行われ、中部地方での順位から、局長表彰と事務所長表彰が決まります。

我が伊那出張所では2件の工事が事務所長表彰に選ばれ、表彰の栄誉にあずかりました。みなさん、表彰は今後の励みになると口をそろえて言いますし、表彰が受けられるよう、みなさんも最大限の努力しているのです。表彰後の意見交換会で言葉を求められたので、「ひとつは、すべての工事で表彰をねらっていて、その差はわずか。そのわずかを勝ち取ったことの価値は高い。今後もこの栄誉をかてに良い工事を。もうひとつ、天竜橋(伊那市・南箕輪村)緊急撤去工事では、われわれの想定以上に早く撤去でき、ここに地域になくてはならない地元建設業者の頼もしさをみせつけた。」

土木技術者は意外にもシャイでまじめ。でも、地域の生活基盤を支え続ける、かけがえのない社会のしくみの重要なひとつです。思うのですが、それは人間の臓器(なかでも沈黙の臓器)みたいなものかも。何に役立っているのか、わかりにくいけど、きちんとアピールする努力も求められているのかな。

ナデシコジャパン(平成23年7月19日 火)

ナデシコ

女子サッカーの日本代表、「なでしこジャパン」の大活躍に大いに沸きましたね。さて、ナデシコは花の名前ですね。正式にはカワラナデシコといい、ナデシコやヤマトナデシコという呼び方もされます。名前のとおり、河原に多いのですが、河原に行けばすぐに出会えるというわけでもないのです。薄いピンク色の花は、大変清楚で美しく、個人的にも大好きな植物ですが、近年はムシトリナデシコという外来種が河川をかっ歩しています。

花の近くの茎部分がネチャネチャしているので「ムシトリ」と付くらしいのですが、実際に虫を捕るわけではありません。花は小さいのですが、たくさんの花をつけ、色が鮮やかなので、けっこう目立ちます。ちょっと化粧の濃いギャル系(失礼!)といいましょうか。

写真は堤防に咲くカワラナデシコで、とてもきれいでしょう?堤防を歩いていて見つけると、とてもステキでドキッとします。一面ナデシコだったらどうでしょうか。きれいと感じる人も多いでしょうけれど、私は、退(ひ)いてしまいます。

バイオマスの未来(平成23年7月19日 火)

古くからお付き合いのある方とバイオマスと土木のお話をしていました。河川管理では、毎年2回の堤防除草で大量の刈草が発生します。河川内の樹木を整理するときも、まとまった樹木が発生します。

樹木はある太さ以上のものは、ヤナギやハリエンジュなので薪ストーブ愛好者が争うように運び出してくれます。薪として利用すればCO2が発生するのですが、植物の再生は早いので、CO2を吸収しながら成長するため、トータルとして増えているわけれはありません。化石燃料はそう簡単に戻らないので、燃費の悪い2ストロークのチェンソーで切ることはあまりステキではありませんが、代替方法がないので仕方がありません。問題は枝葉の処分と萌芽再生です。

枝葉は薪ストーブ愛好者にとって必要のないものなので、河川に残していきます。火災などの心配から、法律で認められている野焼きか、廃棄処分です。また、根株は残していきますから、栄養繁殖するハリエンジュ(外来種)は、1年でトゲのヤブになり、始末が悪いです。

一方の除草はどうでしょうか。野焼きをしているのが現状で、本来は有効利用したいものです。しかし、バイオエタノールの生成には費用がかかり、現実的ではありません。牧草としてそれほど魅力のある材料ではないし、堆肥にするには水分の管理に手間がかかるようです。それにしても、集積・運搬というコストに見合う売却先は期待が薄いでしょう。さらに、河川の刈草には場所や時期によってアレチウリやオオキンケイギクという特定外来生物の種子が含まれていて、取り扱いをさらにややこしくしています。

良いアイディアはないものでしょうか。

整理整頓(平成23年7月13日 水)

今日は倉庫を片付けました。水質事故対策用品、緊急時のバリケード、防災用品など様々。いったんすべてを外に出し、内容を吟味して、分類し、再び倉庫に。

ごみも出ますね。これで、何がどこにあるのかわかる。いい機会になりました。これはまだ序章です。工事書類の整理もしなければ。店舗の棚卸しみたいなものです。

しまった。BeforeとAfterを撮っておくのでした。たとえていうなら、ジャングルから、日本庭園です。

消防団の訓練(平成23年7月3日 日)

樋口築堤

地域の消防団は、消防署と違って、普段はサラリーマンなど別の仕事をしています。いざというときには、消防活動、行方不明者の捜索などの他、この地域では水防活動も消防団が行います。消防団と水防団が別の組織になっている地域はごく限られていますから、この地域が特別というわけではありません。

その消防団の技術的コンクールといえば、消防ポンプ操法大会です。同日、ラッパ吹奏大会もおこないます。地区ごとの消防団が各自治体での選抜大会の後、上伊那地区の大会が7月3日にあり、その代表が県大会に進むというわけです。

それぞれが真剣勝負で、私が見ていても優劣の差はたぶん、微少です。少しずつは作法が違うのですが、きびきびとしたすばらしいものです。この体の切れが、現場でものをいうのでしょう。とても頼もしいと感じました。

辰野町樋口の堤防(平成23年6月30日 木)

樋口築堤

激甚災害対策特別緊急事業(通称:激特)の最終工事が6月23日に完成し、6月30日に完成検査を受けて、めでたくすべての工事が完了となりました。事業残務として、旧天竜橋(伊那市・南箕輪村)の西側の撤去が残るのみ。

平成18年7月出水から5年間。1) 広範囲の河床掘削に伴う大量の土砂運搬と処理、2) 不足する護岸の根継ぎ、3) 浸食防止対策としてのコンクリートブロック配置(根固め工)を中心に伊那市三峰川合流点から辰野町昭和橋までを国が、それより上流を長野県が事業を行いました。

6月21日から釜口水門の放流量を430m3/sと操作規則を改定。平成18年7月洪水再来でも諏訪湖の水位は計画高水位までに押さえられることになりました。住民の皆さんをはじめ、多くの人たちと団体・組織の協力があってのことと考えます。これだけ大規模・短期間に河川をさわっているので、色々なことがあるのかもしれませんが、まずは、基本的な目的の達成のよろこびを共有したいものです。

ざざむしの分布と遡上(平成23年6月29日 木)

ヒゲナガ成虫

ヒゲナガカワトビケラの話の続きをしましょう。ざざ虫の佃煮の90%を占めるヒゲナガカワトビケラの分布は、変わっています。日本全国にはいるのですが、世界的にはアジアの一部、アフリカ中部に限定され、大陸移動説を説明する一つの材料であると聞いたことがあります。

また、川は当然のように上流から下流に流れています。石の間の隙間に網を張って生活するヒゲナガカワトビケラは、定住者です。生活しているうちに下流に分布が移動して、上流にいなくなってしまうのでは?という心配がありますね。でも、その心配は無用だそうです。成虫になって羽が生え、ちょっと「ガ」のような姿ですが、上流に遡上する性質があるそうです。ということで、天竜川上流部には安定して定住できているというわけです。

ヒゲナガカワトビケラは、卵から成虫までのサイクルを年2回のペースでこなします。夏世代と冬世代と分けられるわけです。冬の風物詩としてのざざ虫は、つまり冬世代のみを食するわけですね。なぜ夏世代が利用されないのでしょうか?はっきりとした理由はわかりません。明らかに幼虫のえさの種類が違うので、味が違うのかもしれません。観察してみると、冬世代の方が大きく、生息密度も高いということはわかります。しかし、それだけで冬世代だけが利用されているということも説明がつきません。危急食としてのざざ虫なら、食生活が厳しくなる冬に食べるということも考えられますが、愛されてきた食文化が単に危急食というわけでもないでしょう。やはり、味かしら?

水神さま(平成23年6月28日 水)

水神

大阪井という農業用の取水堰があります。その近くの水神さま。

天竜川は、「暴れ天竜」の異名を持ち、過去から多くの災害の歴史を持ちます。本川からの取水は、とても苦労してきたに違いありません。たぶん、出水があるたびに大小の手を入れてきたのでしょう。水を怖がり、水に恩恵を受けているのは現代も同じはずなのですが、その身近さというのは、大きく変わってきているのかもしませんね。

この水神さまは、見るたびにお供えの品がかわっています。大切にされているということですね。

「ざざむし」とは(平成23年6月28日 火)

ヘビトンボ

水生生物にはこの出張所通信のタイトルにもあるように、「ざざむし」として伊那谷の地方には馴染みがありますね。ざざむしは、近年「ヒゲナガカワトビケラ」がほとんど中心的な種類になっていまして、90%くらいはこのヒゲナガカワトビケラ(通称あおむし)です。その他は、シマトビケラ、カゲロウ類、カワゲラ類、ヘビトンボなどです。特にヘビトンボが入っているものは、店によって「まごたろう虫入り」として別枠だったりします。

昔から同じものを食べていたのでしょうか。天竜川上流河川事務所で以前に牧野さんに執筆いただいた「伊那谷の冬の風物詩 ざざ虫」によると、カワゲラが中心だったということです。カワゲラとトビケラは形態も違えば、食生活も違うので、当然味も違うと考えられます。どう違うのか、種類別に食べたことがないので、水生昆虫の専門家に聞いたところ、個人の嗜好の違いはあるかもしれませんが、圧倒的にカワゲラが美味しいということです。カワゲラはエビ・カニ風味があるらしい。

さて、なぜカワゲラからトビケラに食べる種類が変わったのかといえば、採れる種類が変わったということでしょう。天竜川や諏訪湖の水質が悪化し、清流を代表するカワゲラ(きれいな水質の指標生物)が棲みにくくなったと思われます。いま、天竜川、諏訪湖は水質が徐々に回復していますね。今後、ヒゲナガカワトビケラが居なくなることはないとしても、減少していくのではないでしょうか。それは、水質を中心とした河川環境の変化によるものだと、いえませんか?

カワゲラ中心のざざ虫の佃煮になれば、今までのファンは離れてしまうかもしれませんが、別のファンが増えそうです。写真は、ヘビトンボ(マゴタあるいはマゴタロウ)の脱皮カラです。