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天竜川上流ニュースレター 68号(2017/10/14)

天竜川シンポジウム 〜河川法改正から20年、今の天竜川で問題になりつつあることの検証〜

【会  場】駒ヶ根市駅前ビル 市民交流活性化センター多目的ホール
【日  時】平成29年10月14日(日) 10:30〜17:00
【主  催】特定非営利活動法人天竜川ゆめ会議
【共  催】駒ヶ根市、駒ヶ根市教育委員会、長野県、長野県河川協会、
      長野県治水砂防協会、(一社)長野県建設業協会、(一社)
      長野県測量設計業協会、(一社)長野県南部防災対策協議
      会、(一社)南信防災情報協議会、(一社)建設コンサルタン
      ツ協会関東支部長野地域委員会
【出 席 者】約100名

 河川法の改正により、環境にも着目した川づくりがはじまってから20年が経過しました。市民団体として天竜川の川づくりに長年携わっている「天竜川ゆめ会議」の主催により、現在の天竜川の現状や課題について理解を深めるためのシンポジウムが開催されました。
 シンポジウムでは、天竜川の河川整備の状況や市民団体の活動状況、水防法の改正の要点について報告や情報提供がありました。その後、小グループに分かれての分科会及び全体会議にて天竜川の問題点や目標とする姿などについての意見交換が行われました。


会場となった市民交流活性化センター
会場となった市民交流活性化センター

【河川管理者の報告】
■天竜川の整備状況
(当事務所 調査課 久保田 光、清水 茜)
 近年の天竜川の整備状況として「平成18〜22年度の多自然川づくり」と「松川町におけるツツザキヤマジノギクを守る取り組み」の二つ話題について紹介しました。
 平成18年7月の豪雨災害からの災害復旧工事(激甚災害特別緊急事業:平成18〜22年度にかけて実施)については、多自然川づくりの考え方に基づき、アユをはじめとした魚類の生息環境に配慮した河道復元に取り組んだ経過と今後の課題について説明しました。この激特事業による多自然川づくりでは、河床の平坦化や設置した大石の移動、埋没などの課題はあったものの、市民団体や専門家、漁協等との意見交換や施工業者との勉強会などを経て進められた良い事例となりました。今後は、現状の課題も踏まえて、河川整備を進めて行きたいと考えています。
 ツツザキヤマジノギク(在来植物のノギクの仲間)については、かつて広域にみられた礫河原を指標する重要種であり、その形態や生態の説明や、保全に向けた自然再生事業の取り組み、取り組みの体制等について紹介しました。松川町の関係者との意見交換会や、保全活動の周知(パンフレットの作成、紹介PR動画の作成など)、観察会などを進めることで、地元主体の保全体制が整いつつあり、ツツザキヤマジノギクの生育数も回復傾向にあります。

多自然川づくりについての報告
多自然川づくりについての報告

ツツザキヤマジノギクについての報告
ツツザキヤマジノギクについての報告

【基調講演】
■「はじめよう!拾うだけじゃないごみ拾い」
(全国川ごみネットワーク 事務局 伊藤 浩子)
 基調講演では、全国川ごみネットワーク事務局の伊藤さんより、結果が見えやすいごみ拾いという単純な作業を主の取り組みとして、地域住民の川への理解と関心を高めるための活動について紹介いただきました。
 みんなで取り組むとごみ拾いも楽しくなることや、調べながらごみ拾いをすることで、参加者がごみを減らすことに興味を持ってくれることなど大変興味深いお話でした。また、活動の中で、市民、行政、学校、企業など様々な主体との連携や全国組織の設立などにより取り組みの力が大きくなっていっている様子も報告いただき、天竜川における環境への取り組みでも参考になるようなアイデアが多くありました。
 川ごみから海ごみにも取り組みが広がっているとのことで、「ごみのない未来の川、海、地球、自然と共生する循環型社会を目指す」を目標とした今後の活動が期待されます。

基調講演の様子
基調講演の様子


【情報提供】
■水防法改正と水防災意識社会構築ビジョン
(国土交通省 中部地方整備局 水災害予報センター 立松 明憲)
 近年改正された水防法とその背景などについて情報提供しました。
 近年の北海道や九州、関東・東北(鬼怒川)での豪雨災害では、多数の犠牲者や甚大な経済損失が発生しています。そのような頻発、激甚化している豪雨災害に対応するため、「防災施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」との認識を強め、ハード・ソフト対策を一体として、社会全体でこのような大洪水に備える水防意識社会の再構築への取り組みが必要との考えから、平成27年に「水防災意識社会再構築ビジョン」が策定されました。このビジョンでは、国、都道府県、市町村等からなる協議会等を設置して、水災害の減災のためのハード・ソフト対策を一体的・計画的に推進することが示され、緊急時の行動計画作成や防災教育の推進、避難訓練の実施など具体的な取り組みも進んでいます。
 そのような水防災意識社会の再構築に向けた取り組みを全国の河川に広めていくために平成29年6月に改正された水防法の内容について情報提供しました。


水防法改正と水防災意識社会構築ビジョンに関する情報提供
水防法改正と水防災意識社会構築ビジョンに関する情報提供


【天竜川の問題点とあるべき姿についての討論】
 行政、関係団体、市民が参加する形で、小グループ(流域住民の意識、環境、利用、治水の4つ)に分かれての分科会及び、参加者全員による全体会議を行い、天竜川の現状や問題点、目標とする姿などについて活発に意見交換しました。

小グループに分かれての分科会の様子
小グループに分かれての分科会の様子


【写真コンテスト表彰式】
■私の大好きな水辺の風景写真コンテスト
 水辺の写真を募集した写真コンテストの受賞者への表彰式が行われました。


写真コンテスト応募作品の展示
写真コンテスト応募作品の展示


  今回のシンポジウムは、河川法改正から20年が経過した節目に、行政関係者や地域住民など様々な参加者のもと現在の天竜川について考える場となりました。
  天竜川ゆめ会議にて掲げている「天竜川のみらい方針」の4つの柱(流域住民の意識、環境、利用、治水)の個別方針のように、今後の天竜川の理想とする姿をしっかり見据え、節目ごとに振り返りながら、河川管理を進めて行くことが必要であると再認識する機会となりました。


国土交通省 中部地方整備局
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