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天竜川上流ニュースレター 36号(2014/12/3)

三峰川みらい会議 平成26年度 源流探検隊「三峰川のヤマトイワナ観察会」

【主催】三峰川みらい会議
【場所】伊那市長谷 三峰川(みぶがわ)
【日時】11月3日(月・祝)8:30〜14:00
【参加者】19名

 三峰川の源流域は多くの生き物たちが生息する貴重な地域となっています。この流域を含む南アルプスは今年「ユネスコエコパーク」に登録され、さらに「世界自然遺産」登録を目指した活動が本格化するなかで、生態系の保全と持続可能な利活用の調和が求められています。
 今回、三峰川流域を活動拠点とした河川協力団体【三峰川みらい会議】さんにより、三峰川源流域で世代を繋いできた【在来種:ヤマトイワナ*】の存在を流域のみなさんに広く知っていただくことを目的とした「源流探検隊 三峰川のヤマトイワナ観察会」が開催されました。
 当日は一般参加者と主催者のほか、関係機関の天竜川漁業協同組合、伊那市、林野庁南信森林管理署、天竜川上流河川事務所も参加しました。
 * 長野県レッドデータブック:準絶滅危惧

集合場所の伊那市役所で出発前のミーティング

集合場所の伊那市役所で出発前のミーティング

 集合場所の伊那市役所で「三峰川みらい会議」の代表:織井秀夫さんから本日の観察会の趣旨、行程、注意点の説明があり、先月の台風等によって三峰川林道に落石が多いため、当初の荒川合流部付近まで行く予定を変更して、小瀬戸谷付近で観察を行うことの説明がありました。
 はじめの見学場所である戸草ダム建設予定地で、三峰川流域の砂防事業について当事務所から説明を行いました。三峰川上流域の土砂生産特性や、流域での過去の土砂災害、砂防堰堤の設置による効果、管内の整備状況等についてご紹介し、工事への理解と協力をお願いしました。

天竜川上流域の砂防事業についての説明

天竜川上流域の砂防事業についての説明

 続いて船形沢と三峰川の合流部で、林野庁南信森林管理署さんから船形沢の治山事業の紹介がありました。平成20年前後に何度か崩壊した船形沢から白濁水が流下し、当初は崩落面をマットで覆って斜面の安定を図ったそうですが、斜面全体が地すべりをおこしていることが判明し、現在は地下にたまった多量の水を抜いた上で斜面の緑化を行っているとの事業説明がありました。その結果、船形沢の濁りは収まりつつあり、当日の船形沢から流れてくる水は、三峰川本流よりも澄んで見えることを参加者全員が確認しました。

船形沢での治山事業の紹介

船形沢での治山事業の紹介

 小瀬戸谷合流部に到着し、イワナの観察に先立って、天竜川漁業協同組合さんの報告がありました。現在、漁協では県水産試験場さんなどと協力してヤマトイワナの調査を行っており、その結果を受けて三峰川上流域をヤマトイワナの生息域と位置づけ、禁漁区にする手続きを検討中との紹介がありました。三峰川でイワナのための禁漁区の指定は初めてのことで、林道通行者の監視等の課題はあるようですが、保全活動については参加者全員が納得の様子でした。

ヤマトイワナ保全の取り組み紹介

ヤマトイワナ保全の取り組み紹介

 その後、河原に降りてイワナの姿を探しました。参加者のみなさんは魚を見ることに精通している模様で、あちこちから「いた」という声が聞こえました。

河原に降りてイワナの姿を探す参加者

河原に降りてイワナの姿を探す参加者

岩陰にイワナの姿

岩陰にイワナの姿

 小瀬戸谷にかかる橋の上からは、産卵するイワナの姿が見えました。三峰川でのイワナの産卵は今がピークのようで、産卵床を掘るメスをオス同士が奪い合って争う姿が観察できました。中には30cmを越える大きな個体もいて、参加者のみなさんには印象深い光景となりました。

イワナの産卵を観察できました

イワナの産卵を観察できました

 紅葉真っ盛りの渓谷や、うっすらと雪化粧した仙丈ケ岳など見どころ満載で、本格的な冬が訪れる前の美しい景色を満喫することもできました。
 天竜川上流河川事務所では、管内の渓流に生息する貴重な在来種が今後も末永く生息し続けることを願い、このような河川協力団体のみなさんの活動を支援していきます。

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