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天竜川上流ニュースレター 32号(2014/8/19)

子ども自然災害体験学習

【講師】北澤秋司 信州大学名誉教授、福山泰治郎 信州大学農学部助教、
     北澤夏樹 伊那市立東春近小学校教諭 他
【場所】信州大学農学部「食と緑の資料館」研修室
【日時】8月5日(火) 9:00〜15:00

 天竜川上流域では、昭和36年の三六災害をはじめ、過去に数々の土砂災害に見舞われてきました。今回は、子供たちを対象に、模型による実験を通じて災害のメカニズムや恐ろしさを体験し、防災のために必要な備え・減災について学ぶことを目的に「子ども自然災害体験学習」が8月4日〜5日、「子ども石ころ体験学習」が7日〜8日に開催されました。今回は、8月5日の体験学習の様子を報告します。

1_子ども自然災害体験学習の開会式

1_子ども自然災害体験学習の開会式

 体験学習会に先立ち、講師の先生方の紹介・あいさつなど開会式が行われた後、北澤先生による地すべりや土石流など自然災害の概要説明の中では、自然災害が身近に起こりうることを知りました。

2_講師の北澤先生のお話

2_講師の北澤先生のお話

 午前中のテーマである「自然災害の実験で災害のメカニズムを知る」では、かんたんな模型を使った実験を行いました。開始前、子供たちは机の上に並べられた発泡スチロールやペットボトルなどの実験模型に興味津々です。実験はグループごとに分かれ、それぞれのグループには、大学の先生や行政の専門家などがサポートに入り、専門的な内容でも解りやすく解説していました。

3_グループに分かれて実験

3_グループに分かれて実験

 土石流の実験では、河川の源頭部の崩壊により発生した土石流によって、扇状地に配置された人家が壊滅状態になるようすを再現しました。土石流を防ぐために砂防堰堤を1基、2基と入れる対策を行うことで、下流側の集落には影響が及ばないことがわかりました。

4_1_土石流の実験装置

4_1_土石流の実験装置

4_2_土石流が発生し、家屋が倒壊・流失

4_2_土石流が発生し、家屋が倒壊・流失

4_3_砂防堰堤を設置し、効果が一目瞭然

4_3_砂防堰堤を設置し、効果が一目瞭然

5_専門家による実験結果の解説

5_専門家による実験結果の解説

 地すべりの実験では、アルミ板の上に乗っている木片を土塊にみたて、どのようにすれば土塊の滑りを食い止めることができるか、地すべりのメカニズムと地すべり対策を同時に考えることができました。子供たちは実験の方法や結果について熱心に観察しメモを取っていました。

6_熱心にメモを取る子供たち

6_熱心にメモを取る子供たち

 地震動の実験では、3段階の高さのビル(発泡スチロール)が並ぶ板を揺すり、揺れの速さによって建物の揺れ方が違うことを学びました。また、地震によって発生する液状化現象については、ペットボトルを使った実験で砂中に埋もれていたゴルフボールが砂上に出てくる様子がわかりました。

7_地震動の実験

7_地震動の実験

8_液状化の実験

8_液状化の実験

 一通りの実験の後は、北澤先生の災害実体験の紹介がありました。北澤先生は三六災害が発生した1961年当時、下伊那郡松川町の生田中学校(後に松川中学校に統合)の教諭をされていました。未明から続く大雨により発生した土石流の様子や避難生活のことを、スクリーンに映し出された写真や図とともに詳しくお話しいただき、自然災害のすさまじさや恐怖をイメージすることができました。

9_北澤先生の三六災害体験談

9_北澤先生の三六災害体験談

 午後は、ハザードマップを作成しました。北澤先生からハザードマップの重要性を学んだ後、子供たちが自分の家周辺の地図を描きました。北澤先生によれば、自分の家の周辺を思い出しながら、実際に地図をおこし、どこに危険が潜んでいるか想像することが大事とのことでした。

10_ハザードマップの作成

10_ハザードマップの作成

 今回の体験学習では、自然災害が身近に起こりうること、自然災害から自分たちの身を守る方法を考えることの大切さを実感していただけたようです。また、今回は防災に関連する大学や行政など地域の専門家が多数参加し、様々な立場からの幅広い内容の話が聞けたようです。
 天竜川上流河川事務所では、子供たちの実体験による防災学習の支援を通じ、今後も土砂災害の被害防止や防災知識の普及啓発に努めて参ります。

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