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天竜川上流ニュースレター 13号(2012/11/1)
天竜川BASS Meeting(生態調査のためのバス釣り大会)
【主催】天竜川漁業協同組合
【場所】天竜川辰野〜箕輪(ホタル童謡公園〜十沢橋)
【日時】10月28日(日) 8:00〜15:00
(受付7:00〜、表彰式16:00)
今年の夏、天竜川ではコクチバスが増殖して、バス釣りの遊漁者が多く、鮎釣りが少ないという異常な事態となりました。このため漁業協同組合ではブラックバス等の生息実態の把握の釣り大会をおこない、釣獲された個体について体サイズの計測や胃内容物の分析する「生態調査」を実施しました。
当日は肌寒い小雨まじりの曇天で、上流側の水温が16℃で下流側が13℃と低水温のためバスの釣獲には厳しいコンディションとなりましたが、53名もの釣り人が参加し、天竜川の生態系の変化への関心の高さが伺えました。
参加者の釣り人に様子を聞いてみたところ、マス類専門の釣り人からは「今年の夏から急に増えた。マス類を釣っていて掛かったコクチバスを300匹ほど駆除した。」と現状に訴えていました。また、“川バス”狙いの釣り人は「釣って楽しいが天竜川での異常な増殖は良くないと思う。釣ったバスは持ち帰って食べている。川を剥げば白身で美味しい。」と語っていました。
15時になると検量会場には続々と釣果が持ち込まれました。この日は上流側の辰野付近の釣獲数が多く、下流側は少なかったようです。釣獲総数は約60尾で総重量は15kg、そのほとんどがコクチバスで、小さな1年魚から全長37cmの大型までみられ、平均的なサイズは20cm〜30cmでした。
河川内で繁殖していると考えられるコクチバスの異常な増加は、生態系への悪影響が心配されます。実際に、夏季のアユの季節には太ったコクチバスが釣られていたようですが、アユの季節が終わると痩せた個体が多く、胃内容物もヨシノボリ類や水生昆虫が少量だったとのことです。
今回の釣獲個体は長野県水産試験場諏訪支場が体サイズ計測、消化管内容物分析、遺伝子解析などをおこなうようです。同支場の河野主任研究員によると、すでにウグイなどの遊泳魚が減少している兆候があり、ヨシノボリ類や水生昆虫で飢えをしのいでいるとのことで、河川生態系への影響の拡大が心配されます。
閉会式の天竜川漁業協同組合さんのあいさつでは、今回の生態調査の結果を今後の漁場管理に活かしていくことが述べられ、また、釣り人への協力の呼びかけもありました。
生態調査の目的に、漁場管理者と遊漁者が一体となった天竜川の秋の一日でした。
なお、会場にはコクチバスのフライの差し入れがあり、参加者一同がご相伴にあずかりました。癖がない淡泊な身は高級魚を思わせ、バスの外観からは想像できない美味しさでした。
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