木曽三川の自然 |
■感潮区域 |
木曽三川下流の河口付近で、水位や流速に海の潮汐が影響を与える区間を「感潮区域」といいます。また、河口付近の海水と河川水が混合した区域を「汽水域(きすいいき)」といいます。この感潮・汽水区域では川幅が広く、淡水性・塩水性の両方の動植物の生息しやすい多様な環境が作られ、それに応じて独特の生態系が維持されています。汽水域一帯はヤマトシジミのわが国有数の生息地ともなっており、休日には多くの人が潮干狩りを楽しんでいます。 |
■ワンド |
洪水時に新たにできた水たまりのようなよどみ、みお筋が湾曲して残された場所。水制などによる砂州の形成によって河川の通常の流れと分離したところなどで流速がきわめて小さい池のような静水域が形成され、魚や鳥、植物にとって大切な生息の場所となっています。河川に生物の多様性をもたらすとして、その役割が見直されています。木曽川下流にあるケレップ水制の周辺で見られます。
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◆川辺の生物たち〜鳥類〜◆ |
ガンカモ科 | サギ科 | カモメ科 | ウ科 | シギ科 |
◆川辺の生物たち〜植物〜◆ |
ミゾコウジュ | イセウキヤガラ | オオアブノメ | フジバカマ | タコノアシ | オオカナダモ |
クロモ | サンカクイ | オギ | ヨシ | ススキ | セイタカヨシ |
カナムグラ | ヨメナ | チガヤ | ヒガンバナ | オナモミ | クズ |
■ヨシ原 |
ヨシ原は川の歴史、文化にとって貴重であるばかりか、希少植物の生育場所にもなる川とは切っても切れない存在です。しかし防災を目的とした護岸工事などにより、その多くが失われてしまいました。失われた川のもとの姿を復元するために、地域住民が主体となり行政と連携しながら木曽川下流右岸でヨシ原の再生事業が進められています。ヨシ原再生地では、地域住民による苗植えやポット苗植えによるヨシ原づくりなどにより、ヨシが生育できる基盤整備を行いました。その後も住民によるヨシの観察や保全活動が続けられています。桑名市上之輪新田地先でヨシ原再生地を見ることが出来ます。 |
■干潟(ひがた) |
木曽川・揖斐川の河口域にはかつて広大な干潟が存在し、魚介類が多く生息していました。またエサを求めたり羽を休めたりする多くの鳥の姿がありました。でも干拓や過剰な地下水汲み上げによる地盤沈下などにより、干潟のほとんどは消滅してしまいました。木曽川下流河川事務所は、水生生物などの生息環境の場を復活させるため、木曽川・揖斐川の河口域の城南沖と長島沖の2カ所に人工干潟を造成しました。その後の調査で、多様な生物の生息の場として重要な役割を果たしていることが確認されました。 |
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