PT調査結果報告
第4回 中京都市圏パーソントリップ調査について
はじめに
中京都市圏総合都市交通計画協議会では、中京都市圏において、昭和46年、昭和56年及び平成3年と、10年間隔でこれまで3回のパーソントリップ調査(交通実態調査)を実施しています。
第3回調査(平成3年)から10年経過し、社会経済情勢や都市圏を取り巻く交通環境が大きく変化していることを受け、平成13年から第4回パーソントリップ調査を実施し、その実態を総合的に把握・分析し、中京都市圏の望ましい総合的な都市交通体系のあり方を検討してきています。
今回、都市圏内の約26万人の方々のご協力により、平成13年に実施したパーソントリップ調査(交通実態調査)の現状、調査を踏まえた、中京都市圏の都市交通の基本目標や、基本目標を達成するために必要な都市交通体系のあり方の検討を行いましたので、その結果を報告するものです。
第4回 中京都市圏パーソントリップ調査パンフレット
第4回 パーソントリップ調査(平成13年実態調査)
誰もが安心して移動できる中京都市圏の実現をめざして
第4回 中京都市圏パーソントリップ調査(交通実態調査)の概要
(参考)人口は平成12年10月現在。
|
人口
(5歳以上) |
配布者数 |
有効回答者数 |
有効回収率 |
有効回答者数
/人口 |
愛知県
(名古屋市を除く30市40町村) |
4,542,215 |
163,350 |
126,842 |
77.7% |
2.79% |
岐阜県(12市31町) |
1,625,629 |
61,154 |
47,931 |
78.4% |
2.95% |
三重県(4市12町) |
755,684 |
32,543 |
24,552 |
75.4% |
3.25% |
名古屋市 |
2,069,656 |
92,020 |
65,248 |
70.9% |
3.15% |
都市圏計(47市83町4村) |
8,993,184 |
349,067 |
264,573 |
75.8% |
2.94% |
第4回 中京都市圏パーソントリップ調査の集計結果の概要
パーソントリップ調査は、サンプル調査であり、回答者数約26万人の「人の動き」を拡大することにより、都市圏全体(約900万人:5歳以上)の「人の動き」を捉えています。
以下に、中京都市圏の「人の動き」から把握できる特徴をとりまとめました。
1. 中京都市圏全体の人の動き
- 中京都市圏の人口は、10年前と比較して5%の伸びであるのに対して、総トリップ 数(行動回数)は9%の伸びを示しています。
- とりわけ、この10年間では人口の高齢化に伴い、高齢者のトリップ数が2.2倍に大きく増加しました。
- 1日あたりのトリップ数は、10年前と比較して1.04倍の2.6トリップで、女性の30歳代後半が突出(3.4トリップ)しています。
2. 交通の目的からみた人の動き
- 人の動きの目的について、この10年間の変化をみると、中京都市圏の特徴は、出勤目的交通(1.09倍)の着実な増加、買い物などの自由目的の交通(1.33倍)の急激な増加です。【パンフレット8頁参照】
- 一方、登校目的の交通(0.84倍)・業務目的の交通(0.82倍)は減少傾向です。
3. 代表交通手段からみた人の動き
- 交通手段について、この10年間の変化をみると、中京都市圏の特徴は、自動車の急激な増加(1.3倍)、鉄道は横ばい(1.04倍)、バス(0.75倍)・徒歩(0.92倍)の減少があげられます。
- 交通手段の利用割合を他都市圏と比較すると、中京都市圏の利用交通手段は、
◆ 公共交通(鉄道、バス)利用割合(11.4%)が東京都市圏(27.9%)、京阪神都市圏
(21.7%)に比べ半分であり、
◆ 自動車利用割合(56.3%)では東京都市圏(33.1%)、京阪神都市圏(31.7%)の
約2倍となっており、中京都市圏は自動車依存度が高いのが大きな特徴です。
4. 調査対象者からの自由意見
- 交通実態調査(パーソントリップ調査)に合わせ調査対象の方、約22,400人から約33,000件の「交通問題・交通渋滞に関する自由意見」を頂きました。
- 「行政に関する意見」(交通施設の整備・新設要望等)が40.9%と最も多く、次いで「移動し易さ」(交通サービスの向上や交通集中による渋滞の改善等)が37.9%で、この2項目で78.8%を占めています。また、「安心・安全」(交通の安全性や事故防止)が15.3%、「環境」(騒音・排気ガス対策)が3.6%となっています。