+++ ふじあざみ60号(3)  +++
 
樹木医とは、樹木の診断や治療、後継樹木の保護育成にとりくみ、そして、樹木保護に関する知識の普及や指導を行う専門家です。樹木医の数はまだまだ少なく、現在、静岡県内でも26人で、富士市に限ってはたった1人です。そんな富士市唯一の樹木医 秋山 憲行さんにお話を伺いました。 秋山さんの主な診療は、県内の教育委員会や、神社、お寺からの要請により、天然記念物に指定された樹木の傷んだところを診たりするそうです。 また、市民からの要請があれば樹木の診断に出向くこともあるそうです。
 
樹木と環境問題
 近年、地球温暖化や酸性雨、土壌汚染など地球規模での深刻な問題が取りざたされています。富士山でも同じことで、中でも、特にゴミの不法投棄が樹木に対して大きな影響を与えます。山中に不法に捨てられたゴミなどから流れ出す有害物質が地下にしみ込み、周りの樹木に多大な被害をもたらし、自然環境や生態系を破壊するのです。樹木はおろか、私たちの生活も脅かす恐れがあり、心配されるひとつにあげられます。

 

これからの樹木医の役割
 樹木医として、市民に樹木の保護・育成に関する知識を伝えることも重要な仕事だと思っています。樹木医は専門的な知識と、数多くの経験が必要です。しかし、樹木医は地味な仕事で、縁の下の力持ち的要素が強いため、樹木医を目指す人がなかなか増えないのが現状です。樹木医は、自然環境維持のためにもなくてはならない重要な役割があります。今後はもっと多くの樹木医が育ち、より多くのみなさんに樹木の保護育成の大切さを知ってもらうことが私の希望です。
秋山 憲行氏 談

プロフィール  
樹木医 秋山 憲行 氏

 

富士市役所みどりの課課長。平成4年、当時富士市役所林政課在職中に樹木医として認定される。
現在、仕事の一環として、県の職員の方々と共に樹木医の資格を活かし活躍中。



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