+++ ふじあざみ62号(3)  +++
 
 御中道とは、富士山中腹の標高2300~2800m(5~6合目付近)を一周する山道です。古くは富士講の巡拝路とされ、3回以上富士山に登頂した者しか、立入を許されなかったそうです。現在は大沢崩れの崩壊が進行し、途中で通行禁止となっており、御中道を一周することはできなくなっています。富士砂防事務所では、富士山の自然に親しみ、また富士山の大崩壊地「大沢崩れ」を直接見ていただき、砂防事業への理解と関心を深めて頂くことを目的に、毎年「大沢崩れと御中道見学会」を開催しています。今回は、10月5日に開催された見学会の様子をお伝えします。
■10:14 御庭駐車場到着
 今回も沢山の方々にご応募頂き、抽選により19名が参加しました。念入りに準備運動をして、往復約4時間の行程に備えました。
■10:30 御庭駐車場を出発
 所々で富士山や植物の説明をまじえながら、森の中を歩きました。この時期の富士山は、徐々に赤や黄色に色づき始めた紅葉をはじめ、所々にある枯れ木もオブジェの様に見えました。途中、何本もの沢を渡り、そのひとつひとつはそれぞれに違った表情を見せていました。
■12:15 お助け小屋着
 お助け小屋を過ぎ、少し降りていくと、大沢崩れを眺望できる箇所にたどり着きました。大沢崩れは天候によって見えないこともあるのですが、今回は雲の切れ間にくっきりと見ることができました。参加者の方々は、大沢崩れを間近で見て、そのスケールの大きさに感動と戸惑いを受けた様子で、「壮大で、恐竜のように見えて、怖い感じもする」と言う感想も聞こえました。自然の雄大さと同時に、その恐ろしさも実感して頂けた様子でした。
■14:30 御庭駐車場着
 帰り道では、途中で雨に降られてしまいましたが、往復約8kmのルートを全員が無事に歩ききることができました。
 富士砂防事務所では、今後もこのように、地域の方々の交流を深め、土砂災害の恐ろしさについて理解と関心をを深めて頂くように努めてまいります。

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