+++ ふじあざみ62号(2)  +++

 

(1)山頂火口からの噴火以外に、側火山からの噴火も多い

 「側火山」とは、山頂火口以外の所から噴火した時にできる小火山です。山梨県側の表紙の写真にもある大室山・長尾山、静岡県側の二つ塚・鑵子山などが側火山の例です。
 図ー1は、航空レーザ測量により作成された特殊な立体地図です。(ふじあざみ第56号において詳しく説明しています。)樹木、地物等を除去することにより、富士山の地形が鮮明かつ立体的に表現され、側火山も明確に確認できます。

(2)噴火の規模が多様である

 図ー2は、富士山が過去2,000年間に噴出した主な溶岩流の分布範囲です。
 特に西暦864年に噴火した青木ヶ原溶岩は、大規模で、当時「せのうみ」と呼ばれていた湖を「精進湖」と「西湖」に2分し、そのうえには、青木ヶ原樹海を形成しています。
 また、図ー3は、富士山が過去2,000年間に噴出した主な火山れき・火山灰の分布範囲です。
 特に今から300年前(西暦1707年)の宝永噴火時の噴出物総量は約7億m3 、これは、東京ドームの約550杯分もの量に推測されます。

図-1 富士山南西野渓赤色立体図  


(3)噴火の種類が多様である

 火山噴出物は高温であったり広い範囲に流下したりするために、時として大きな災害をもたらすことがあります。また、平成2年~平成7年の雲仙岳の噴火災害にも見られるように、長期化する場合もあります。
 富士山で過去に発生した火山現象は、溶岩流、降下火山灰・火山れき、火砕流、火山ガス、岩屑なだれ、火山弾、土石流・火山泥流です。その中で降下火山灰・火山れき、火山ガス、岩屑なだれを写真で紹介します。