+++ ふじあざみ62号(1)  +++

本栖湖北部から見た富士山
 上の写真に見覚えがありませんか?これは現在の千円札(2004年以降発行)に描かれている本栖湖から見た富士山の描かれている場所とほぼ同じ位置から撮影したものです。この富士山の構図は、旧五千円札(1984年発行)にも描かれていて、いずれも写真家「岡田紅陽」(1895~1972)が撮影した写真「湖畔の春」を基にデザインされています。岡田紅陽は、その生涯で約40万枚にも及ぶさまざまな表情の富士山を撮り続けたと言われ、まさに富士山に魅了された写真家であったと言えるでしょう。
 被写体として富士山に魅力がある理由として、円錐形の美しい容姿があげられます。これは、富士山が「若い火山」であるためです。富士山の噴火口は、山頂に見られる火口だけでなく、山麓のさまざまな場所に存在し、60箇所以上の側火山が確認されています(表紙写真にも大室山を始めとする、さまざまな側火山が写っています)。そこから流れ出た溶岩や火山灰などの噴出物は、さまざまな方向に流出、堆積し、現在の美しい容姿を作り上げてきました。
 将来、もし富士山が火山活動を開始した場合には、広い範囲に大きな影響を及ぼすと考えられます。富士砂防事務所では、火山災害を軽減するため、「富士山火山砂防計画検討委員会」を設置し、その対策を検討しています。

静岡県側から見た富士山の裾野



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