+++ ふじあざみ61号(1)  +++
「ムーンライト富士」月が富士山の上に出ている情景(御殿場市足柄峠より)
●太陰暦
 江戸時代まで日本では、月の満ち欠けの周期を1ヶ月として月日を定めていました。これを太陰暦と呼び、月の満ち欠けは平均29.53日、このため、現在、地球の公転周期から1年を定める太陽暦では、1年は365日ですが、当時1年は354日でした。また、太陽と違い、月は毎年同じ所を通 過せず、およそ16年周期で元の位置に戻ります。昔の人は、月の様子や位置からも月日がわかりました。

●月影の富士の望み方
 山頂に月が掛かる状態を月影の富士と呼ばれ、富士山を撮影するカメラマンの間でも話題になっています。  表紙上の月影の富士は、御殿場市の足柄峠から2月14日の午前6時23分頃に撮影されたものです。明け方の赤富士の上に丸い月が掛かっていて、とても幻想的な雰囲気になっています。次に御殿場方面 (足柄峠)からこのような明け方の「月影の富士」を望むには、2007年では、2月4日、9月28日などとなります。  表紙右下は、富士宮市人穴の東側より5月25日の午前4時30分頃に撮影されたものです。  月影の富士は日没や月の出の時間の関係で見える場所、時間帯が変化していきます。その為、カメラマンは皆、独自に、あるいは、インターネットなどを利用して月の動きを把握しているようです。

●月と富士山の姿
 表紙写真の様に、月のクレーターと、富士山の山肌がはっきり見えるように撮影するには、コツがあります。月は満月よりも十三夜がベストと言われ、時刻も日没5分前が、太陽に赤く染められた山肌がくっきり現れた状態で月も望めます。このような条件を満たさなければ見ることの出来ない月影の富士は、一見する価値がある景色のひとつではないでしょうか。


三日月と富士(富士宮市人穴の東側より)
写真提供/渡井 豊 氏


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