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開催報告(概要) 前へ 次へ TOPへ



VTR5

霞堤のある地区は、水防に対する知恵が満載である。家の周りには、生け垣が植えられている。水の進入を防ぐだけでなく、家財の流出も防いでくれる。また、家は、盛土をして、一段高くなった場所に建てられている。この地区に住む山本さん。洪水の被害を伝え残そうと、これまでの水害を書き記している。しかし、彼の本音は、いつか霞堤を閉じて欲しいと望んでいる。



議題5 〜治水計画と現実〜

フォーラム様子 柴田氏 霞堤のおかげで、私たちの住む地域が守られていることがよく分かった。本当に、霞堤にお住まいの方々には、頭が下がる思いだ。

藤田氏 霞堤が締められた豊川市側では、大型の設備投資をして、非常に高収益の農業地帯に生まれ変わった。しかし、霞堤の残る豊橋市側では、冠水が多く、路地栽培がほとんど。かなりの収入格差が生まれている。これは、流域全体の問題であり、例えば「豊川基金」なるものを作り、霞堤が残る地区に援助していくような仕組み作りが必要。

栗田氏 私は、昭和51年に起きた岐阜県長良川の安八水害を経験した。この時は、地域住民が支え合って乗り越えた。しかし、今、昔のような助け合いを、期待できるかといったら不安が残る。その為には、もう一度、先人の防災に対する知恵を見直す必要がある。


山本氏 写真 山崎氏 国の政策として、河川が氾濫した場合でも、被害を最小限にする事業が展開されており、居住地区を囲みそこに水を入れない「輪中」や、堤防を二重にし、一つ目の堤防を越流しても、その先で、もう一回抑えるような「二重堤」などの整備を、取り入れる方向になった。

山本氏 『150年に一度』という規模の災害が時々起きてしまう今、堤防の整備などハード面での対策だけではなく、情報の整備や避難体制など、ソフト面での整備が必要になってきている。