豊川の今後30年間の河川工事や維持管理の内容を記した「豊川河川整備計画」が、平成13年に策定された。その中には、堤防の補強や、川の断面積が不足している所の掘削、設楽ダムの建設などが盛り込まれている。しかし、整備計画が完了しても、三つの霞堤は残され、利用されていく事になる。
山崎氏 現状の河川では、昭和44年の戦後最大の大雨が降ったら、堤防が決壊したり、越流する恐れがある。整備計画を実施すれば、危険性を大幅に下げる事ができる。しかし、3つの霞堤を締めてしまうと、堤防が決壊する恐れがある為、存続せざる得ない。とはいえ、霞堤も、できる限り浸水の頻度を少なくする為に、小堤を造るという内容も計画の中に盛り込まれている。
藤田氏 今の堤防の強度とは違うが、過去に霞堤を全部締め切って、連続堤にした経緯がある。しかし、直後の台風の際に破堤し、大きな被害をもたらした。この地域の人は、洪水と上手く付き合い、洪水文化といっていいほどの知恵を生み出してきた。このことを再評価すべきだ。