戦後最大の洪水は、昭和44年の台風によるもので、流域は大打撃を受けた。豊川は昔から洪水が多く、その理由は、この一帯の地層が水を吸収しにくい事、川が蛇行している事など、多くある。 その為、江戸時代に、「霞堤(かすみてい)」と呼ばれる、あえて不連続に作った堤防が考えられた。 堤防の無い所は、田畑が広がり、ここに洪水の水を溢れさせる事で、町に水が流れ込むのを防いだのだ。そして、豊川は、現在でも、この霞堤に頼らざるをえない、全国でも数少ない河川である。
柴田氏 小さい頃、台風で田畑が浸水している様子などを目の当たりにしてきて、水害の恐怖を感じた。しかし、豊川放水路が出来た今は、安心して暮している。 山本氏 降雨強度50mm/時間以上の雨の年平均回数が、1976年から85年までは209回だったのが、96年から2004年までは293回となっている。このような集中豪雨が増える原因の1つは地球温暖化。今後、温暖化は、ますます深刻化するといわれており、それに伴い集中豪雨も増え続け、洪水のリスクが高まると予想されている。
栗田氏 被災者の方にお話を聞くと、危機管理や防災意識がとても薄い。やはり治水が進むと、住民の防災意識が薄くなってしまい、ちょっとした洪水が起きても、大きな被害を被るという悪循環に陥っている。