(1)湖内堆砂掘削(平成17年度完成)
美和ダム貯水池の有効容量のうち、約200万m3の堆積土砂を掘削しました。掘削土砂は、地域の圃場整備事業など地域の基盤整備に有効活用しています。

(2)貯砂ダム(平成17年度完成、一部改良中)
洪水とともに流下した粗い土砂を堰き止め(沈降させ)、非洪水期に掘削・搬出(砂利採取含む)します。
現在、湖内堆砂対策施設の設置に伴い、改良工事を実施しています。
(H29.9)
全長 144.4m
高さ 10.2m
堆砂容量 20万m3(水平堆砂時)
(3)分派堰(平成17年度完成)
洪水時に貯砂ダムを通過した細かい土砂が混ざった水を堰き止めて、土砂バイパストンネルに導きます。
(H29.3)
全長 244.5m
高さ 20.5m
堆砂容量 52万m3(水平堆砂時)
(4)土砂バイパストンネル(平成17年度完成)
洪水とともに細かい土砂を下流に流し、ダムを迂回させることでダム湖に堆積しないようにします。
(H18.7)
全長 4,308m
断面の形 馬蹄形
断面の大きさ 7.8m
最大流量 300m3/s
(5)湖内堆砂対策施設
洪水時に分派堰を越えてダム湖に流入・堆積した細かい土砂を浚渫してストックヤードに貯めておき、土砂バイパス運用時にダム下流へ排砂します。
(6)治水容量の増強
発電容量のうち280万m3を治水容量に振替え、洪水調節機能の増強を行います。

(平成18年7月梅雨前線豪雨)
バイパス運用による生息生物への影響を確認するため、バイパス運用前後の洪水で、付着藻類の回復状況をクロロフィルa量で評価した結果、
三峰川・天竜川ともにバイパス運用前後で同様に回復する傾向であることが確認でき、バイパス運用による変化は認められませんでした。
アユの成長は、洪水により一時的に遅れましたが、その後順調に成長しました。
夏季の魚類の生息量は、大きな出水の続いた平成18年、平成19年以降少ない状況が続いていましたが、
平成23年、平成24年の調査では、バイパス運用以前と同程度の量に回復しました。
底生動物は洪水直後に個体数は減少しましたが、その後はバイパス運用以前と同様に順調に回復しました。
また、冬季の生息量は、バイパス運用前後で大きな変化はみられませんでした。