木曽三川治水偉人伝 御囲堤(おかこいつつみ) |
御囲堤は徳川幕府のライフライン |
御囲堤は慶長13年(1608)〜14年(1609)、犬山から弥富にいたる木曽川左岸に築造されたといわれる長大な堤防です。徳川家康の命を受けた伊奈備前守忠次の指揮により完成したことから、伊奈備前堤とも呼ばれています。堤防の高さは約10〜16m。洪水防御はもちろんのこと、安定した農業生産を可能にしました。 しかし、御囲堤の目的は、名古屋城防衛の第一線とすることにありました。当時、関ケ原の合戦により徳川幕府が樹立したとはいえ、豊臣秀頼はまだ健在で、反徳川勢力から防衛する必要があったからです。 このような状況下の慶長12年、徳川家康の九男徳川義直は清洲城に入城。その翌年、木曽川を西国からの防衛線として御囲堤の築造を開始したのでした。 |
尾張国の水防に効果を発揮 | |
その後、豊臣家が滅び、江戸幕府の体制が確立するに伴い、御囲堤の軍事的意義は薄れ、尾張地方の水防に大きな効果を発揮しました。 しかし、木曽川右岸の美濃側には、本格的な河川堤防の築造を許されなかったので、洪水は木曽川右岸の小規模な堤防を乗り越え、美濃国にしばしば被害をもたらしました。このため、かつては水害の起きなかった地域に輪中が形成されるようになりました。 |
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