ふじあざみ67号(2)
由比・薩た地区 風景のうつりかわり
 由比町には旧東海道の町並み、宿場の面影など歴史・文化を感じる風景が残っています。そして、薩た峠は広重の描いた景色がそのまま残っている場所です。
 しかし、時代とともに移りかわってきた風景もあります。失われた過去の風景、そして新しく生まれた現在の風景、どちらも由比・薩たの歴史の中の1枚ですが、その代表的なものを紹介します。



 薩た峠から富士山を望む風景は、江戸時代の浮世絵師歌川広重の『東海道五十三次』の『由比〔薩た嶺〕』で描かれたものが有名です。薩た峠は現在もその広重の描いた風景(眼前に富士山、そして眼下には駿河湾を一望できる素晴らしい風景)が残されている東海道唯一の地です。

                      
図1 広重の『由比〔薩た峠〕』(東海道広重美術館 提供)
広重の『由比〔薩た峠〕』(東海道広重美術館 提供)  図1
図2 薩た峠からの富士山
薩た峠からの富士山 図2


国道1号(蒲原)からみた「寝観音」
国道1号(蒲原)からみた「寝観音」 写真
薩た峠は、昔から由比の浜から眺めると、連なる山々が観音菩薩が仰向けに寝た姿に見えることから「寝観音」と言われてきました。今でも、国道1号を富士川から静岡に向け車で走ると、由比町の手前の蒲原町のあたりからその姿を望むことが出来ます。





【松 並 木】

 かつては東海道沿いの村々の境には松並木が植えられていました。今はなき東海道の5つの松並木は由比松原の松並木・ヌクイの松並木・今宿の松並木・寺尾の松並木・東倉沢の松並木です。

(由比町史)
松並木 写真

(由比町史)
海水浴場 写真

【海水浴場】

 海岸が埋め立てられる前は海水浴場がありました。


【由比の名物さざえとあわび】

 さざえの壷焼きとあわびは、間の宿倉沢の名物でした。この名物目当てに多くの旅人が訪れたようです。

由比の名物さざえとあわび 図

潮浜 塩田 図

【潮浜 塩田】

 かつて由比は製塩が盛んで、浜一面に塩焼の藻塩の煙が立ちのぼっていました。







【興津の埠頭】

 興津の海岸は海水浴場として有名でしたが、清水港拡張のため海岸埋め立てが行われ、埠頭などが建設されました。

興津の埠頭 写真


東名高速 写真

【東名高速】

 昭和36年(1961)に発生した寺尾地すべりの対策工事の排土で海岸を埋め立て、東名高速道路が建設されました。


【由比漁港】

 昭和50年(1975)に現在の港が完成しました。現在沖合に405mの防波堤を建設して外港とする工事が進められ、平成23年(2011)に完成の予定です。

由比漁港 写真

清見寺門前のJR 写真

【清見寺門前のJR】

東海道線の建設に伴い、清見寺の参道を横切って線路がつくられました。

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