ふじあざみ57号(3)
2005火山砂防フォーラム 広域連帯を踏まえた火山防災
 火山地域にある自治体・国の機関の防災担当者らが一同に会し、火山防災対策について情報・意見交換を行う「2005火山砂防フォーラム」が10月13日、14日の両日にわたり富士宮市民文化会館と富士山周辺(現地視察)にて開催されました。

● 事業報告 「私たちの富士山学習報告会」

 第一部では、富士宮市内の小中学校が総合学習として取り組んでいる「富士山学習」の成果を寸劇にして発表しました。
 貴船小学校5年生は、「富士山の恵み“湧水と生糸生産の歴史”」というテーマで、湧水と地元の人々の暮らし・産業との関わりを富士宮第二中学校2年生3年生は、「コノハナサクヤヒメと富士山」というテーマで、浅間大社に祭られている富士山の神様「コノハナサクヤヒメ」を中心に、富士山の歴史を古典から解き明かしました。
 どちらも富士山に関する学習を通して培ってきた郷土への愛着が感じられ、印象に残る素晴らしい発表でした。。

富士宮市立貴船小学校5年生 事業報告写真2
事業報告「富士山の恵み ”湧水と生糸生産の歴史”」
富士宮市立貴船小学校5年生
事業報告「コノハナサクヤヒメと富士山」
富士宮市立富士宮第二中学校2・3年生と司会のNPO法人防災情報機構 伊藤和明会長

● 基調講演 「富士山ハザードマップ公表以後の課題」

 第二部では、富士山ハザードマップ作成検討委員会の委員長を務められた山梨県環境科学研究所長の荒牧重雄氏による「富士山ハザードマップ公表以後の課題」について講演が行われました。講演では「これから策定する地域防災計画において周辺の関係市町村・関係機関が細かい議論を積み重ねて行くことが必要」と強く訴えられました。

基調講演「富士山のハザードマップ公表以後の課題」
山梨県環境科学研究所 荒牧重雄所長(東京大学名誉教授)

● パネルディスカッション 「広域連携を踏まえた火山防災」

 第三部では、富士常葉大学教授の吉村秀實氏をコーディネーターとし、「環富士山火山防災連絡会」の今後の活動の方向性を探るためのパネルディスカッションを行いました。「環富士山火山防災連絡会」の設立経緯や今後の方向性等について富士吉田市長、富士宮市長より説明があり、その後に「広域連携を踏まえた火山防災」のテーマに沿った活発なディスカッションが行われました。
 静岡大学教授 小山真人氏は「噴火は火山の一生のうちのほんの一時のことである。それ以外の時は私たちは火山の恵みを享受し、理解を深めるために尽力することこそが、いざというときの正しい行動につながるのではないか」と指摘され、楽しく富士山のことを学ぶ方法を話されました。


パネルディスカッション
パネルディスカッション「広域連携を踏まえた火山防災」 左から、
コーディネーターの
   富士常葉大学 吉村秀實教授
   富士宮市 小室直義市長
   富士吉田市 萓沼俊夫市長
   山梨県環境科学研究所 池谷浩客員研究員
   富士砂防事務所 冨田陽子所長
   静岡大学 小山真人教授
   静岡新聞社政治部 植松恒裕副部長 

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