西湖は、周囲9.8km、面積2.2km2と富士五湖の中では精進湖に次いで小さな湖ですが、水深は91.6mと本栖湖に次いで2番目の深さとなっています。また、美しいコバルト色の神秘的なたたずまいから「乙女の湖」と呼ばれています。周辺は山と樹海に囲まれており、野鳥も多く生息する自然豊かな湖です。
■溶岩流が形成した自然
西湖は、西暦864年の平安時代に起きた貞観噴火による溶岩流によって、当時の「せのうみ」が分断され、精進湖とともに誕生した湖です。溶岩は、雨水を地中に早く浸透させてしまう多孔質の岩盤であるため、樹木の生育には適していません。しかし、長い年月の間に、コケが生え、そのコケが持つ保水力が樹木を生育させ、現在の青木ヶ原樹海を形成しました。
また、流れた溶岩によってできた、風穴、氷穴などの多くの洞窟をみることができます。
■過去の災害からの再生
現在は、自然の宝庫として知られる西湖周辺ですが、昭和41年9月の台風26号による土石流によって、西湖の湖畔にあった根場、西湖地区は、死者・行方不明者94名という大惨事にみまわれました。そして、昭和42年全世帯が移転し、民宿村として再出発しました。
現在では、災害のあった根場地区において、富士河口湖町の取り組みにより、「西湖いやしの里根場」として災害以前の素朴な茅葺き屋根の集落を再生する事業が進められています。
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