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かつて富士山に信仰を寄せる修験者など数多くの登山者が通行した登山道があります。それが「旧村山口登山道」です。現在の富士宮口登山道の基となるルートが開かれて以来利用が少なくなり荒廃が進むこの登山道を修復し復活させようとする地域の住民や中学生がいます。
今回は富士山の大沢扇状地の除石工事で発生した石を使い、地域の人たちと旧村山口登山道の石畳を復活させようと「一石運動」を積極的に取り組んでいる旧村山口登山道保存会会長 神戸勝さんと、同じく総合学習の時間の一環として、石畳を修復している富士宮市立富士根北中学校の校長 佐野一男さん、同教頭 町田強史さんの3名にお話を伺いました。 |
■先人の技術力の高さに驚かされる 富士根北中学校では、総合学習の一環として旧村山口登山道の石畳の整備を平成12年から始めて以来毎年行っています。昨年度からは富士砂防事務所と富士宮市河川課の協力で、富士山の大沢扇状地に堆積した石を材料として石畳を整備しています。
村山区でも「一石運動」は平成4年の富士宮市政50周年の時に発足、その時は登山道の草刈をするくらいの活動で一旦終結してしまいましたが、富士根北中学に触発され、平成14年から「一石運動」を再度検討し平成15年7月1日の富士山山開きに合わせて再び発足しました。その時は、県外からの参加者もあり『富士山から出たものは富士山に返す』を合言葉に石畳の整備を行っています。
重機を使わないので石が重たく数十メートル整備するのにもひと苦労、昔の人たち努力はすごかったんだと実際に作業してみてはじめてわかりました。また、私たちがせっかく整備した石畳が、多少のコンクリートで固めるにもかかわらず大雨の時の水で流されてしまうのに対して、現存している旧石畳は全く流されずに残っており昔の人の技術力の高さにも驚かされると言います。 |
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▲「旧村山口登山道」の石畳 |
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▲富士根中学校の
生徒さんたちの活動の様子 |
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■美しい富士山を次世代に託す
この活動はこれからも続けていく予定で、次世代まで引き継いでいって地域の良さを知ってもらいたい、また復活した登山道を散策ルートとして多くの方々に楽しんでもらいたいと旧登山道復活に対する意欲を語られました。 |
▲旧村山口登山道保存会の皆さん |
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■プロフィール
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神戸 勝(ごうど すぐる)氏 〈写真中央〉 |
旧村山口登山道保存会会長 |
佐野 一男(さの かずお)氏 〈写真右〉 |
富士宮市立富士根北中学校 校長 |
町田 強史(まちだ つよし)氏 〈写真左〉 |
富士宮市立富士根北中学校 教頭 |
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