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第1章 総括(序にかえて)

 本委員会(豊川の明日を考える流域委員会、以下「委員会」と略記)は、平成10年12月15日に第1回委員会を開いて以来、14回の委員会、7回の勉強会、および6回の準備部会を開催した(表−1.1)。この間の議事内容は、
1)委員会の設立趣旨(法的根拠、検討対象、最終目的等)の確認、および、
2)豊川水系河川整備計画原案検討のための課題の検討、代替案の試算、
の2項目に集約できる。
 すなわち、本委員会は、河川管理者が河川法第16条の2(表−1.2)に定められた「河川整備計画(以下「整備計画」と略記)」を作成するにあたって、「河川に関し学識経験を有する者」で構成される委員会として、意見を申し述べることを本務とするものである、との認識に立って、
1)整備計画が、「河川整備基本方針(以下「基本方針」と略記)」に即したものでなければならないことから、まず、基本方針(未策定の第7回委員会までは、それに代わるものとしての「豊川水系工事実施基本計画」)についての理解を深めたのち、
2)河川法施行令第10条(表−1.2)によれば、整備計画作成にあたっては、
a)いわゆる治水計画に関連して、「過去の主要な洪水、高潮等及びこれらによる災害の発生の状況並びに災害の発生を防止すべき地域の気象、地形、地質、開発の状況等」、
b)いわゆる利水計画に関連して、「流水の占用、舟運、漁業、観光、流水の清潔の保持、塩害の防止、河口閉塞の防止、河川管理施設の保護、地下水位の維持等」、および、
c)いわゆる環境保全計画に関連して、「流水の清潔の保持、景観、動植物の生息地又は生育地の状況、人と河川との豊かな触れ合いの確保等」を、
それぞれ総合的に考慮することが求められていることから、これらについての理解をより一層深めるべく努力してきた。
3)また、「豊川水系河川整備計画素案(大臣管理区間)」(第11回委員会資料;以下「素案」と略記)が提出されてからは、それに対するいくつかの課題の検討と素案に対する代替案の試算を重ねてきた。
 その結果、
1)基本方針に関しては、準備部会での検討と、その報告を受けての委員会審議を経て、その中で示された基本高水(洪水防御に関する計画の基本となる洪水)のピーク流量値(7,100m3/s)は、いわゆる150年確率相当洪水を想定すれば必ずしも過大な値ではないと認識した。ただし、長期的な目標については、次期以降の河川整備計画策定時における十分な再検討に委ねることとして、今後は本委員会の本来の検討事項である「今期の整備計画の検討」へ進むこととした。
2)治水、利水、および環境の各計画に関連して総合的に考慮すべき諸事項に関しては第2章にその主要部を示すような理解を得た。
3)提示された(整備計画)素案に対する代替案検討のための基礎的資料として第3章にその概要を示すような種々の判断材料(情報)を準備できた。
4)これらの審議の過程で、巻末に整理した意見が出された。
 しかし、素案に対比し得る具体的な代替案考察のためには、今なお必ずしも十分な準備ができたとは言える状況にない。また、委員会が、計画への「住民意見の反映」(河川法第16条の2)を促進するための情報開示の場のひとつとしての役割をも担うものであることを考えると、公開の場である委員会での議論が必ずしも明快なものではなかった点など、反省すべき事柄も少なくない。一方、すでにあまりに長い期間、ダム計画への対応を迫られ続けてきた「設楽ダム計画」関係住民・諸機関や、頻繁に水害を被り続けてきた「霞堤地区」住民などの心労を思い起こせば、もはやこれ以上いたずらに長い時間を費やすべきではなく、委員会としての結論提示は、一刻を争う急務であると言わざるを得ない。
5)第4章では、こうした状況認識に立脚して、
a)整備計画(素案および代替案)についての検討を更に深めるための必要最小限の情報のうち、今なお不足しているものは何か、
b)活発な意見交換や明快な議論を展開し、関係住民の意見醸成に資するとともに、できるだけ早く整備計画策定の目的を達成するためには、今後の委員会をどのように展開するべきか、
などを考察して、委員会が当面する急務の課題をとりまとめた。
表−1.1 豊川の明日を考える流域委員会/勉強会/準備部会の開催日・議事・配付資料
表−1.2 河川整備基本方針、河川整備計画の関係法令(第8回流域委員会配付資料(3))

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