国土交通省の他の出先機関で、いろいろな要因による三河湾の影響が過去に検討されていますが、豊川からの流入量のみが増減した場合の影響は軽微と考えられます。
平成12年の「第14回豊川の明日を考える流域委員会」において示された資料(下記「流域委員会」提示資料参照)によれば、豊川流量、風向風速等の変化による影響量を断面A地点で、現況と比較すると、豊川流量のみが増減した場合の影響量に対し、風向風速や潮汐のみが変化した場合による影響が大きい傾向にあることがわかります。
豊川流量の増減割合が直接、海水交換量に同じ割合で結びつくのではなくて、豊川の流量以外に風速、風向とか気温とか、そういういろいろな様相が合わさって、海水交換量が成り立っていると考えられます。
この結果から、設楽ダムの完成によって新たに取水される量を4万m3/日(0.5m3/s)と考えると、その影響量は、1%以下と考えられます。
※エスチュアリー循環流とは、河川が内湾に合流することなどにより、湾の上層は河口から離れる方向の流れに、また湾の下層は逆に河口方向の流れになり、湾内の水が循環するように流れることです。