川はもともと、様々な役割を果たしています。
農業用水や飲料水を供給する他、魚や植物など自然環境が育まれたり、船などによって物を運んだり、アユ釣りや川辺の風景によって人々の心を癒すなどの役割です。
この役割、機能のことを、専門的には「流水の正常な機能」と呼んでいます。
豊川では、人々の生活や農業や工業などのため、たくさんの水を取水しています。しかし、このため、豊川の一部では水枯れが発生したり、たびたび取水が出来なくなるなどにより、この機能が、大きく不足しています。
不特定(ふとくてい)容量は、これらの「流水の正常な機能」を常に維持するために必要な容量のことです。
平成13年に策定された「豊川水系河川整備計画」では、川の本来持っている機能を保全するため、河川流量が一定流量以下のときは取水しないように管理することとしています。
この取水制限の設定により、宇連ダム・大島ダムでは用水量全量は補給できなくなることから、 その不足量を設楽ダムの不特定容量で補い、さらに、渇水時にも設楽ダムからの補給により河川環境の維持のために必要な流量を確保する計画としています。
このようなことから、不特定容量が新規利水容量に比べて大きくなっていますが、これによって、豊川の河川機能は抜本的に改善されます。