木曽三川下流部高潮・洪水災害広域避難計画策定に向けたアクションプラン(案)
【主要なポイント】

木曽三川下流部高潮・洪水災害広域避難検討会

背景

巨大台風による高潮・洪水災害から“犠牲者ゼロ”を実現するためには・・・

  1. 浸水想定区域外への適切な広域避難誘導とそれを円滑に実施するための計画が必要
  2. 地域社会(行政・住民双方)における社会的気運を醸成し、問題意識を共有しながら広域避難等に関する課題を解決していくことが重要
  • 将来の気象予測の変化(海面上昇、巨大台風の頻発化)
  • ゼロメートル地帯と長期化する浸水
  • 広大な浸水範囲と膨大な浸水人口(およそ18万人)
  • 検討会と地域社会(行政・住民双方)の意識の共有化の必要性
アクションプランの目的・位置づけ
  • 犠牲者ゼロを達成するための理想像(=広域避難)
    • 東海ネーデルランド高潮・洪水地域協議会(TNT)との整合をはかりつつ、木曽三川下流部では大規模水害による犠牲者ゼロを確実に達成すべく、最も理想的な「浸水区域内に居住するすべての人を浸水の危険性がない安全な地域へ避難」(=広域避難)させることを目標
    • 木曽三川下流部では、木曽三川下流部高潮・洪水災害広域避難検討会(以下「検討会」)をはじめ、防災サミットや水災害講演会等を通じて、上記目標に関する理解が図られつつある状況にある
    • TNTでは、屋内安全確保(自宅待避、垂直避難)を含み検討

注)本資料は、現時点での検討資料であり、今後の検討会での議論により変更となる場合があります。

想定災害の概要

想定災害:平成27年3月にTNTが策定した危機管理行動計画(第三版)で規定される「スーパー伊勢湾台風」の襲来と、それによる高潮の発生、および先行降雨により木曽三川において超過洪水が発生している状況とし、高潮と洪水が同時期に発生する状況を想定

  • 対象人口と浸水想定
    • 対象地域のほぼ全域が浸水
    • 地盤高の低い日光川付近の地域や、桑名市長島町、木曽岬町のような輪中地域で4m超える
    • 浸水域内人口は、18万人を超える
    • 想定決壊箇所は、危機管理上の観点から、主に浸水人口が甚大となる箇所を選定
広域避難シミュレーションの概要

注)本資料は、現時点での検討資料であり、今後の検討会での議論により変更となる場合があります。

シミュレーション分析による避難誘導に関する検討
  • アンケート調査より把握された現状の住民意識
    • 各市町で1割から5割の人が避難しない意向を持つ
    • 避難勧告を聞いた時点までに避難を決意する人は多くても25%程度
    • 避難の決意から行動までに必要な準備時間は、1時間以上を要する人が半数以上存在する

現状の住民意識を再現したシミュレーションの結果
  • アンケート調査より把握された現状の住民意識
    • 9万人を超える要救助者が発生すると推計
    • 要救助者のうち、92%は避難を開始する前の段階で要救助者となる

シミュレーションより明らかになった犠牲者ゼロのシナリオ

住民の自助・共助に関する重要なポイント

  • 広域避難が必要な災害時において「住民に求める行動」
    • 避難勧告が発令された際の早期避難行動
      (避難勧告で避難決意→短時間で避難準備(30分以内)→避難開始)
    • 避難収容可能量を考慮した、指定された広域避難先・避難経路への避難
    • 自力避難が困難な要配慮者への避難支援(自動車同乗など)
    • 地域による組織的な情報伝達
  • 住民への意識啓発(社会気運の醸成)
  • 子どもたちへの防災教育・災害文化の醸成

広域避難先および避難経路に関する重要なポイント

  • より確実に犠牲者ゼロを実現する浸水想定区域外への広域避難
  • 避難先の確保および地区単位での避難先、避難経路の設定
  • 避難先における、避難者のさらなる分散化
  • コントラフローなどの交通規制の実施による避難の効率化、避難時間の短縮化
  • 広域避難先となる受入れ自治体、住民の理解と協力の要請
  • 木曽三川下流部全域の効率化を図ると、一部地域では避難先が遠方となるなどの問題が発生する可能性がある
  • 避難経路において土砂災害などの危険地域が含まれる可能性がある

広域避難における鉄道の活用に関する重要なポイント

  • 鉄道の輸送能力に応じた地区単位での利用対象者の適正規模の設定

広域避難におけるバスの活用に関する重要なポイント

  • 保有台数に応じたバス利用者の検討
  • バス輸送のニーズ(交通手段を持たない住民お移動等)の把握と必要バス台数の確保

広域避難の意思決定タイミング・意思決定体制に関する重要なポイント

  • 台風上陸24時間前における広域避難のための意思決定と避難勧告の発令
  • TNTの危機管理行動計画(第三版)に基づく意思決定
  • 関係市町が連携し整合した判断のもとでの意思決定
  • 早期避難に対する住民理解の促進

広報に関する重要なポイント

  • 住民の積極的な広域避難を促すような効果的な広報の実施

逃げ遅れた住民の避難誘導に関する重要なポイント

  • 逃げ遅れた住民の緊急避難誘導

その他の重要なポイント

  • 災害時要配慮者の避難支援
  • 避難後の避難者の把握、救助
  • 観光客の避難誘導・支援
アクションプランの構成

シミュレーション分析等から抽出された「重要なポイント」をふまえ、当地において解決すべき課題をアクションプランとしてとりまとめ、その課題解決にむけて必要な「アクションプラン」を、短期・中長期の視点で区分し整理

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