KISSOこぼれネタ VOL.55 海津市平田特集号
勝賀の大池祭り

〔祭りの灯を後世へ〕
大池に浮かぶホオズキ提灯を飾った筏、夜空を染める打ち上げ花火、盆踊り‥‥。

勝賀の大池祭りは、海津市平田の夏の風物詩。毎年8月10日、大池神社で行われます。
竜神を祀る大池神社は、江戸後期、村の氏神様と若宮様を一ヵ所に集めて、勝賀の大池の近くに建立されました。
祭りの始まりは定かではありませんが、古老の話によれば、明治13年(1880)には、すでに行われていたようです。大池は昔から、埋め立てると祟りがあると語り伝えられてきました。
その昔、大池を埋め立てようとしたときも、大雨が降り続き、埋め立てることができなかったそうです。食事をしようとしておひつを開けると、気持ち悪いほど多くの白蛇がいたり、死者が出てしまったり、いつまで経ってもケガが治らなかったりと、不幸な出来事がたくさん起こったそうです。
また、神社に狛犬を寄付しても不幸が続くのは、祭神の竜神と狛犬が合わないからだと噂されました。
氏神神社と若宮神社を一カ所に集めたときも、大池の主である白蛇が祟りを招いたと語り継がれています。

昭和51年(1976)に大池を埋め立てる計画が持ち上がりしたが、3分の1だけを埋め立て大池は残されました。そこには、単に祟りを恐れる気持ちだけではなく、池への愛着の思いがあったに違いありません。
大池をすべて埋め立ててしまったら、大池祭りは続かなかったかもしれません。池に浮かぶホオズキ提灯の筏も消えていたことでしょう。
しかし、大池祭りはまた、毎年夏に行われるようになりました。大池祭りの日には、地元の人をはじめ、多くの人々が参拝に訪れます。
祭りを通してこの地を守っていくことの大切さを子孫に伝えています。

現在の大池は県営水環境整備事業で大池公園として整備され、洗堰公園や広場が市民の憩いの場となっています。また、四季を問わず休日には、鯉、鮒などを釣る人々で賑わいます。


勝賀の大池

大池神社


大池公園案内図

■参考文献
食と祭りの歴史 平成15年 平田町教育委員会
 
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