KISSOこぼれネタ VOL.45 根尾村特集号
高尾のダムのいかだ下り

揖斐川の支流、根尾川の源流地が岐阜県根尾村です。

村の北部にそびえる能郷白山は、泰澄によって開かれたという伝説をもつ白山信仰の霊山。
樹齢千五百年という薄墨桜も根尾村の大切な観光資源です。

美しい自然美が織り成す根尾村は山紫水明の里。
古代より白山信仰の登拝路として栄え、近世には大垣藩の燃料をまかなう段木(つだ)生産や木炭生産が盛んに行われました。
段木とは、薪材のこと。山から刈り出した木材を筏で流し、里で割木薪材としていました。

しかし、大正15年(1926)、高尾地区でダムが計画され、昭和四年(1929)に完成すると、水は堰き止められてそれまでのように筏を流すことができなくなりました。
それに代わる道路も整備されておらず、トラックも普及していなかったので、輸送路を断たれたことになったのです。
そこで、ダムの魚道(魚が通る道)に「角落とし」という板をとりつけ、筏を流す時だけ、その板をはずして水を流しました。
ダム湖を満たしていた水は、急に出口ができたため、ごう音を立てながら、流れ出したそうです。
それを魚道口で待ち受けていた船頭たちは激しい勢いの水流に筏を乗せ、その筏に飛び乗って、舵をとっていたようです。

この筏くだりは道路が整備されトラックが普及するまで続けられていたようです。

 
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