KISSOこぼれネタ VOL.39 桑名市特集号
櫻堤防の復活

櫻堤防とは、伊勢大橋から住吉神社までの揖斐川右岸堤防を言い、この堤防は、もとは「鍋屋提」と呼ばれていました。江戸時代のはじめの頃、鋳物師の辻内家が桑名城主から揖斐川沿いの土地を拝領し、鍋や釜の生産を始めました。そのため、この附近の堤防を「鍋屋提」と呼ぶようになりました。

明治の木曽三川分流工事によって、揖斐川の川巾が拡幅され、堤防沿いの鋳物工場は無くなり、新しくできた堤防に諸戸静六が櫻を植え、櫻並木が出来上がりました。それが何時しか「櫻堤防」と呼ばれ桑名の名所となり、櫻の季節には大勢の人が繰り出して大変な賑わいであったと伝えられています。

しかし、昭和34年(1959)9月26日に来襲した伊勢湾台風によって櫻堤防は破壊され、その後の災害復旧工事によって堤防は、三面をコンクリートで覆われた堅固な高潮堤防に改良され櫻堤防の面影もなくなってしまいました。

その後、地盤沈下に伴う高潮堤防の機能回復のための、堤防かさ上げ・拡幅計画の中で櫻堤防復活を望む声が徐々に高まり、住吉神社上流の一部区間を櫻堤防とすることとされ、堤防拡幅工事が概成した平成12年(2000)12月14日、櫻堤防復活の櫻植樹祭が盛大に行われ、40年振りに櫻堤防が復活しました。


昭和9年頃の櫻堤防

■参考文献
「郷土誌を訪ねて」 平成13年6月1日 西羽晃 発行
 
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