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砂防施設の整備が進み、
かつてのような土石流の被害がなくなった結果、養鶏(ようけい)団地・工業団地等の造成(ぞうせい)が進み、企業立地が促進されています。
富士山南西麓(ふじさんなんせいろく)における工業団地面積は、1986年(富士砂防事務所(ふじさぼうじむしょ)は1970年設置)当時37万m2でしたが、およそ20年で301万m2と8倍近く増加しています。
また、進出企業数は1986年時にはたった2社でしたが、整備の進展と共に立地が進み、2016年(1月現在)には40社にまで増加しています。

工業団地面積と企業数
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人が集まる富士山
砂防施設の整備が進むとともに、地域の安全度が高まることで、富士宮市(ふじのみやし)では世帯数が漸増しております。
地域安全度の向上による土地利用促進の効果は企業立地等への効果もありますが、同時に人口問題の解決策となる地域の活性化にも貢献しているのです。
世帯数は1994年から2015年にかけての約20年間で1万6千世帯増加しています。世帯数の増加はすなわち、定住人口の増加を意味しているため、それだけ地域力の向上を示しています。
砂防えん堤等の砂防施設の整備は、土砂災害の防止や生活安全度の向上などとともに、工場の立地・雇用の増加等、暮らしや地域経済に長期にわたって効果をもたらしています。大沢扇状地(おおさわせんじょうち)、富士山南西麓(ふじさんなんせいろく)の砂防事業の進捗が富士宮市(ふじのみやし)をはじめとした富士山南西麓の「地域力」を向上させています。

富士宮市世帯数の推移と施設数
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観光業にも好影響
富士山周辺における観光客数は、1989年には227万人でした。その後、増減を繰り返しながら右肩上がりに伸び、2000年には400万人を超え、2008年には450万人を記録しました。土砂災害のリスクが減少したことによって、商業施設の立地も進んでいます。

富士山周辺の観光客数
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さらなる地域力アップへ、
これらの数字は、砂防が社会資本として、地域を土砂災害から守ると共に、着実に地域へのストック(社会資本整備)を積み上げている証拠です。
富士山は、2013年6月26日、世界文化遺産に登録されました。これを受けて従来の観光集客力がさらに高まっています。富士山という世界有数の観光資源による利益をより高めるために、土砂災害等に対する砂防事業を継続し、ストック効果を高めていくことが必要です。

工業団地面積と企業数
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朝霧高原は、富士山西麓に広がる高原。富士箱根伊豆国立公園に指定されており、観光施設が多く建造されている。

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もどる ホーム つぎ FUJISABO 通信 平成28年2月12日 第96号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221