事務所紹介
建設ICT(情報化施工)を富士山凡夫沈砂地工事で活用
  近年、コンピュータやインターネットをはじめとする、情報通信技術(Information and Communication Technology)が急速に発達していますが、中部地方整備局でもこの技術を工事施工の現場で活用する取組を行っています。富士砂防事務所では、「富 士山凡夫沈砂地工事」で、建設ICTの一部であるマシンガイダンス技術を活用して土砂の掘削作業を行っています。
マシンガイダンス技術解説
 マシンガイダンス技術とは、バックホウにGNSS(GPS)と角度セ ンサを取付け、バックホウ本体と掘削バケット(ショベル部)の位置と高さの情報を取得して、あらかじめシステムに入力した設計データ(図面)と位置の違い を計算し、画面上でバックホウの操作者に情報を知らせる技術です。
 この技術を導入することにより、工事を行う前に行っていた測量(丁張作業)の一部を行う必要がなくなるなど、施工の効率化が図られます。
富士山八百八沢は、八十三沢?スラッシュ雪崩が流下するおそれのある沢の数は?
 富士山では、積雪があるところに急激な気温の上昇やまとまった雨が 降った場合に、スラッシュ雪崩が発生する可能性が高くなります。
 富士砂防では、平成19年3月25日に発生したスラッシュ雪崩による被害を契機にスラッシュ雪崩に関する調査を行ってきましたが、今回富士山全周を対象 にスラッシュ雪崩が流下すると想定される沢について調査検討を行いました。
 富士山全周での航空レーザー測量の成果から、過去にスラッシュ雪崩が発生したことのある標高2,000m-2,500m付近で、沢の形状を示している所 を調査したところ、83カ所が確認され富士山全周でスラッシュ雪崩が流下する可能性があることがわかりました。
富士山全周での航空レーザー測量図
※スラッシュ雪崩とは?
 富士山周辺で発生するスラッシュ雪崩は、雪代(ゆきしろ)とも呼ばれ、大量の水分を含んだ雪が流動する現象です。流下の途中で土砂を巻き込みながら土石 流となり、また下流域への到達距離が非常に長くなることもあるため、古くから恐れられています。


もどる ホーム つぎ FUJI SABO通信 平成21年8月31日 第70号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221