

日本の最高峰、富士山頂で台風監視の砦として35年間気象観測に活躍した富士山レーダードームが、山梨県富士吉田市「道の駅・富士吉田」横に移設され、新たに体験学習施設「富士山レーダードーム館」として、4月24日(土)に開館しました。そして今回はそこで働く職員の皆さんにお話を伺いました。
■オープニングイベント
4月24日のオープンには、約2000人の方が来館され、午後2時からは開館を記念して、当時建設にかかわっていた方々や富士山測候所に勤務されていた方々による「富士山レーダードームを語る会」が開催され、当時の苦労話が交わされました。また、当時気象庁の職員として施設設置にたずさわった作家の故新田次郎氏のご長男も出席され、「父が在職中に精根かたむけてやってきたものなので、こうした形で保存されて、父もよろこんでいると思う」と話されました。
■館内はこんなところ
3階建てのドーム館内からは、晴れていれば富士山を眺めることができ、いつまでもレーダードームを見守っているようです。1階では富士山レーダードーム建設の計画から完成にいたるまでの道のりを、資料や写真、また150インチ大型スクリーンで紹介しており、これを見れば当時の建設の苦労がよく分かります。また、レーダー設置にたずさわった作家の故新田次郎氏の直筆原稿や文学作品、遺品のピッケルやカメラなどを展示しているコーナーがあり、文学作品は自由に手にとって読むこともできます。2階に行くと、ビデオやパネル、山頂の測候所を1/50倍で再現したジオラマ(模型)で富士山測候所の仕事や山頂での暮らし、自然環境を紹介しています。山頂にあった本物の観測機器に触れたり、「寒さ体験コーナー」では、5月の山頂の平均気温であるマイナス5度、風速13メートルを体感できます。また、「気象観測クイズステーション」で正解数に応じて「富士山レーダードーム館気象観測員認定証」がもらえ、子供たちにも好評です。3階に登ると実際に移設したレーダードームの内部を見上げることができます。直径9メートルのドーム内に、直径5メートルのレーダーが設置されていて、実際に1周30秒で回転するレーダーは迫力満点です。
■多くの人たちに伝えたい
職員の皆さんに抱負を語っていただきました。「富士山レーダーが富士山と関わりが深いまち『富士吉田市』に移設、復元できたことを本当にうれしく思っています。この富士山レーダードーム館を通して、より多くの人たちに富士山レーダーの偉業、そしてその意義を伝えることができたらと職員一同心より願っています。」
入館料/大人600円、小中高生400円
開館時間/午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
定休日/火曜日、及び祝日の翌日(火曜祝日の場合はその翌日)
問合せ/富士山レーダードーム館 TEL0555(20)0223
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