●新しい活火山リスト
 火山噴火予知連絡会が2003年1月21日発表した「活火山リスト」によると、日本には108の活火山があります。活火山は時に噴火や異常現象を発生させ、大きな災害をもたらすことがあります。
 これらの活火山は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」という定義のもと、火山活動度によってA・B・Cの3つにランク分けされています。ただし、このランク分けは火山学的に評価された過去の火山活動度に基づくものであり、噴火の切迫性を分類したものではありません。
●過去の火山活動に基づく活火山のランク分け
 過去100年間の観測データに基づく100年活動指数、及び過去1万年間の地層に残るような規模の大きい噴火履歴に基づく1万年活動指数により、
ランクA:100年活動指数あるいは1万年活動指数が特に高い火山。
ランクB:100年活動指数あるいは1万年活動指数が高い火山。(ランクAを除く)
ランクC:いずれの活動指数とも低い火山。
(ランクA・B以外の火山)
の3種類にランク分けされています。
 ただし、海底火山や北方領土の火山23については、データが不足していることからランク分けの対象になっていません。
 ランクAには、十勝岳・樽前山・有珠山・北海道駒ケ岳(以上北海道)、浅間山(群馬・長野)、伊豆大島・三宅島・伊豆鳥島(以上伊豆諸島)、阿蘇山(熊本)、雲仙岳(長崎)、桜島・薩摩硫黄島・諏訪之瀬島(以上鹿児島)の13火山が、ランクBには、富士山をはじめ36火山、ランクCには36火山が分類されています。
●火山情報の種類
 気象庁は、火山観測などに基づき火山情報を発表します。
 情報は、都道府県知事、警察、防災関係機関、報道機関、地方自治体を通して住民に知らされます。また気象庁のホームページ(http://www.jma.go.jp/)で見ることができます。
 気象庁が発表する情報には次の4種類があります。

(1)緊急火山情報 生命・身体にかかわる火山活動が発生した場合、またそのおそれがある場合に随時発表。
(2)臨時火山情報 火山活動に異常が発生し、注意が必要なときに随時発表。
(3)火山観測情報 火山活動に変化があった場合、緊急火山情報・臨時火山情報を補う場合などに発表。
(4)火山活動解説資料 火山活動の状態について、各種観測成果に基づき評価を行い、詳細に解説した資料を毎日一回公表します。

参考資料
 京都大学防災研究所火山活動研究センターホームページ
 気象庁ホームページ

※活火山:活火山とは、鹿児島県の桜島のように現在活発に活動している火山のほか、過去に噴火したことがわかっていて、現在の活動は活発でなくても、将来噴火する可能性があると思われる火山のことをもいいます。
 富士山は過去に大きな噴火を繰り返しましたが、江戸時代の1707年(宝永4年)の「宝永噴火」以来300年近く噴火していません。しかし、300年という期間は長い火山の一生から見ればほんの一瞬にすぎません。火山は、その一生に休止期間と活動期間繰り返します。富士山は今休止期間で、いつかは噴火する可能性を持つ活火山であるといえます。