ふじあざみ 第43号(3) | |||||
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画面いっぱいの大きな富士山に、荒々しくも雄大な印象を与える大沢崩れの姿。その上空には繊細な飛行機雲が描かれ、それらが絶妙なバランスで見る者の心を打つこの作品は、「第7回富士山への手紙・絵コンクール」絵部門の中学生の部で、見事最優秀賞に輝いた作品です。今回は、この作品の作者、富士宮市立西富士中学校3年生(受賞当時2年生)の中島美早香さんに「富士山への手紙・絵コンクール」を通した、富士山に対する想いを語ってもらいました。 |
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(表彰式の一場面) | |||||
■姉弟で描き続けた富士山 「特別な絵の勉強したことはないんですが、日頃から絵を描くのは大好きで、小さい頃から友達や家族などをよく描いていました。」と語る美早香さん。夏休みの宿題などでも、よく富士山を描いていたと言います。第1回目からずっとコンクールに参加してきた美早香さんですが、先に入賞したのは、なんと弟さんの岳将(たけのり)さんだったそうです。記念すべき第1回目のコンクールで、当時小学1年生だった岳将さんが、見事佳作に入賞したのでした。「あのときは弟が受賞して嬉しい気持ちもありましたが、反面くやしい気持ちもあったんです。(笑)」と正直な気持ちを笑顔で語る美早香さん。「ひょっとすると、あの時の気持ちが、今回の受賞につながったのかもしれませんね。(笑)」と付け加えてくれました。 ■大沢崩れに対する複雑な想い コンクールに応募された今までの美早香さんの作品には、一貫して大沢崩れが描かれています。 美早香さんが通う西富士中学校は富士山の大沢崩れ直下に位置していますが、美早香さんの場合、理由はそれだけではないようです。「きれいな富士山に対して、荒々しく迫力のある大沢崩れの対比が好きなんです。でも、大沢崩れは毎年崩れていて、富士山にとってはないほうがいいと言うことも知っています。それに、大沢崩れのない本当に美しい富士山も見てみたいですね。」と、鋭い感性をのぞかせる発言も。「小学校のとき、私は参加できませんでしたが、代表の生徒がふじあざみの植樹をしたことがあります。植樹によって崩れを少しでも食い止めるられるのなら、たくさんの小中学校で、もっと積極的にやったほうがいいと思います。それに、気のせいか、富士山のまわりの緑が、段々少なくなっているように感じるんです。」と、富士山の環境問題に進言するコメントもいただきました。 ■受賞は嬉しさよりも驚き 「富士山を描くときはイメージで捕らえる場合が多いです。今回は緑の部分に網を使ったブラシの効果をためしてみようと思いました。思った以上にいい効果が出て、自分でも今までの作品の中で一番気に入っていたので、それも評価の対象になったのかもしれませんね。」受賞の知らせを受けたときは、嬉しさよりも驚きの気持ちのほうが大きかったという美早香さんですが、「弟に対して姉として負けたくないという気持ちもあったので、その嬉しさもありましたね。(笑)」と、本音もちょっぴり出てしまいました。負けず嫌いの性格は、あらゆる方面で発揮され、所属するバスケットボール部ではレギュラーを目指し頑張っています。バスケットボール部は、富士宮市民スポーツ祭で3位に入賞しました。 ■これからも自分の感性のままに描く 「審査委員長の村松先生は、有名な作家だということは知っていましたので、とっても緊張しました。でも、言葉をかけていただいて、とっても嬉しかったです。」と語る美早香さん。「富士山も大沢崩れも見る時や場所、自分の気持ちによっても違ったイメージに見えます。私は人穴から見る富士山が大好きなんです。大沢崩れが真正面に見えて、とても迫力があり、スゴイです。」今回8回目を迎えるコンクールにも出品するという美早香さん。もう構想はできあがっているそうですが、詳しいことはヒミツとのこと。今回応募される方々に、なにかアドバイスのようなことはないか聞いたところ「アドバイスなんてそんなおおげさなものはありませんが、自分の見た、想った、感じたままの富士山を、そのまま描けばいいと思います。」と、素晴らしいメッセージをいただきました。3年生の美早香さんにとって、中学校生活も残り少なくなってきましたが、「卒業後も高校生・成人の部でずっと応募し続けていこうと思っています。」とコンクールに対する想いと意気込みを感じさせる言葉で締めくくってくれました。 |
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