ふじあざみ 第33号(11)
波(飾り罫)
平成13年度 富士山源頭部調査工事 4の滝保護工に着手
富士山源頭部調査工事は、大沢川源頭部の峡谷域の5合目付近において大沢崩れの拡大を防ぐ工法を開発することを目的として厳しい環境の中、取り組んでいます。
調査工事現場(大沢川左岸側より) 平成13年度においては、様々な対策工事を実施しますが、特に滝の侵食後退を防ぐための滝保護工及び斜面崩壊を地中内部から補強するボーリンググラウト工を実施します。
調査工事現場
(大沢川左岸側より)
滝保護工
 大沢崩れの源頭部には13の大きな滝があり年々侵食され、「2の滝」では1919年から80年間で約35mも侵食後退し、大沢崩れ拡大の一つの要因とされています。このため、13年度から3年計画で「4の滝」の崩壊防止に着手し、今年度は作業環境の安全確保のため斜面対策としてロープネットを施工します。
4の滝下流より望む ロープネット工施工状況
▲4の滝下流より望む。 ▲ロープネット工施工状況。
斜面崩壊対策
 大沢崩れの拡大抑制のため、斜面崩壊をいかにくい止めるかを検討しています。今年度は、地中内部の対策工を具体化するため斜面上部からボーリング孔を掘削しグラウチングにより脆いスコリア層の強度と対磨耗性を高めることを試みます。
対策イメージ図
調査工事現場の現況
平成12年11月21日に発生した記録的な土石流により、調査工事現場の左岸渓岸のスコリア層がえぐられる様に洗掘されました。溶岩層の崩壊も著しく、これに対し早急にスコリア層を補強することが課題となっています。また、右岸斜面(A斜面)は、昨年から小崩壊が多発し、5月中旬においても高さ約5m・幅約10mにわたり崩壊していることが確認され、緊急な対策が必要となっています。
A斜面の崩壊状況 左岸スコリア層の洗掘状況
A斜面の崩壊状況 左岸スコリア層の洗掘状況

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